Kiyomi D.

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ワインテステイング

wine tasting

毎朝、フレッシュなブロートオレンジを絞って朝食に飲んでいたのですが、昨日朝市で買ったオレンジの今朝のジュースは少し酸っぱくて、いよいよオレンジの時期も終わりか、春だな、と思った朝です。

3月に入ってから、驚くほど良いお天気が続いているトスカーナ。
もう春そのもの。
風が微かに吹き、青い空が広がり、太陽が一杯です。
ミモザの花はもう満開で、今、桜の花に似たアーモンドの花があちこちに咲き始めました。庭には黄色の水仙が花をつけました。
今年の冬は例年になく寒くなりましたので、この3週間ほどの良いお天気は皆を喜ばせています。
なんだか、こんなに毎日良いお天気でいいのかなぁ~、と恐縮してしまうほど。
暖かい気候のせいで、服装も少しづつ軽くなり、これも大変嬉しい事の1つです。もうじきソックスを脱いで、裸足でサンダルが履けます。待ち遠しい。
と言っても朝夕はまだまだ寒いのですが・・・。

さて、先週末はサンフランシスコから日本女性がお2人いらっしゃいました。
彼女達はもうサンフランシスコは長くて、お1人は約25年、もうお1人は約18年住んでいらっしゃる方達です。

wine tasting

お2人ともワイン大好きで、ある夕方、とっても楽しい「ワイン試飲の夕べ」なるものを計画、そして実行しました。
場所は3000年の歴史のある町ヴォルテーラの、あるエノテカ。
このエノテカは2年前にオープンしたばかりなのですが、店構えはわざと古くし、昔ながらの趣をそのまま残しています。
経営しているのは、まだ若い男性2人。ちなみに2人とも既婚者。
それにソムリエの先生でもあり、料理大好きで、スローフードの会があると必ずそこで料理を作ると言うジージが、仲間の一人として時々顔を出します。

始めた当初は、旅行者が目当てで、トスカーナのワインを飲んでもらいながら、簡単な食事もしてもらおうと考えていたそうですが、なんと地元の人達に人気が出始め、今ではワインを買いに来る人や、夕方にはワインを飲みながら食事をしに来る人達で毎日賑わいます。小さなエノテカなので、積めあいながら座ったり、席が直ぐ一杯になったりしますが、又そこがローカルらしくていいのです。

wine tasting

前もって彼等と相談し、ワインはキヤンテイクラシコから、ノヴィッレ・デイ・モンテプルチアーノ、ブルネッロ・デイ・モンタルチーノ、そしてスーパートスカンを用意。
大きなグラスに全種のワインを注ぎ、空気と混ざるように、料理ができるまで置きます。
つまみ物は、先ずキヤンテイクラシコとノヴィッレ・デイ・モンテプルチアーノを試飲しながら、スカーナのプロシュート、サラミ、ペッコリーノチーズ数種を食しました。

あるサイトにワインに関しての記事を書いていらっしゃる真奈美さんは、それは真剣で、正確な記事が載せられる様に、ノート取りに余念がありません。
彼女のワインの味見のし方や、その評価もかなりプロフェッショナルです。

つぎは、ブルネッロ・デイ・モンタルチーノを試飲しながら、猪の肉のオイル漬けを食べました。これは先ほどのジージが作ってくれたものです。
さっと茹でた猪の肉を、昔は保存する為にオイル漬けにしたそうですが、その昔ながらの方法でジージは作ります。なんと言っても彼はスローフードのソムリエですから。
そしてこれがとっても美味しかったのです!

最後にスーパートスカン(今回はラ・レゴラ)を試飲しながら、今度は猪の肉のオリーブとトマト煮でした。これもジージの作。

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もう、この辺になるとワイン談義で雰囲気が多いに盛り上がっています。
そこへ今度はデザートワインの登場です。
最初はモスカデッロ。甘い飲み安いデザートワインで、これはもう皆のお気に入りになりました。これを飲みながら、リコッタを焼いて薄切りにした上に人参のジャムと蜂蜜を載せたものを食べます。美味しい~。モスカデッロは美味しくて、試飲のはずが、皆お代わりをして何杯も飲む、飲む。
次はチョコレートを食べながら、なんと水と蜂蜜だけで出来たデザートワイン“イドロミエレ”を飲みます。アルコールも葡萄も何も入れていないのに、蜂蜜の糖だけでアルコールが出る珍しいワインです。

「蜂蜜と水だけでアルコールになる?」
と信じられない私に、ジージは
「ワインも葡萄の糖が発酵してアルコールになるだろ。同じ事だよ」
と教えてくれました。

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このデザートワインはその昔、ワインよりも前に飲まれていたアルコール飲料ですが、そのうちに誰も作らなくなり忘れられていたのだそうですが、スローフードが語られるようになり、今又幾人かの人達が少しづつ作り始めたようです。しかし、これを作っている人は数えるくらいしかおらず、このワインが買えるのもこの辺りではこのエノテカだけだそうです。
真奈美さん達が数本買われたのは言うまでもありません。

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若いオーナーの素敵な笑顔とサービス、そして大きな体を持った、料理が好きなだけではなく食べることも大好きだ、と直ぐ分かるジージの楽しい説明などを聞きながら、沢山飲んで、沢山食べて、そして沢山沢山お喋りをした夕べでした。
エノテカに入ったのが、午後4時。そして、グラッパも飲み干し、好きなワインも買って、さあ帰ろうか、と言って時計を見たのが、なんと9時半近く。5時間以上もこのエノテカでワイン談義をしていたことになります。
楽しいと時間を忘れると言いますが、本当ですね。

Enotaca Bar, “La Vena di Vino”, 30 via Don Minzoni, Tel. 0588 81491

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