Kiyomi D.

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リチャード-ジノリ陶器博物館

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今週、フィレンツェの郊外にある町、、セスト・フィオレンテイーノにあるリチャード-ジノリの陶器博物館へ行ってきました。

18世紀に、貴族の食卓などを飾るようなエレガントで薄い陶器を作り出したのが、カルロ・ジノリで、200人の職人から始めた「Manifattura di Doccia」は大きな成功を収めました。しかし、カルロ・ジノリが亡くなり、その息子達の活躍もむなしく、家族内での領地争いが始まった19世紀の末、ミラノの陶芸家、アウグスト・リチャードに製造業を売ることになったのです。
芸術よりもビジネスの方に興味があった最後のジノリの息子と、既にミラノで成功していたリチャード氏との合併で、リチャード-ジノリ陶器は多種の陶器を製作・生産し、世界中に知られるようになりました。

いまだに改築中の博物館でしたが、それでも数日前に2階の展示場がオープンし、18世紀~20世紀にかけてのリチャード-ジノリ陶器の初期のものからモダンな物までの歴史を見ることが出来ました。

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ベル型のカップの取っ手が蛇の形や枝の形をしていたり、小さな容器のふたのつまみがバラの花を形どっていたり、又可憐な花や洋ナシ、プラム、イチヂク、チェリー、イチゴ等のフルーツのモチーフが画かれたカップやお皿などが特徴です。
テーブルを飾るだけではなく、屋敷の廊下やイタリア庭園を飾る為の大きな陶器の彫刻まで手がけたようです。
展示場は初期から20世紀までのリチャード-ジノリの歴史を5段階に区切って展示、説明し、とても分かりやすく出来ています。

歴史を勉強した後は、近くにあるリチャード-ジノリ陶器のアウトレットに行ってみました。

アウトレットは建物の表に名前などは一切書いていなくて、始めて訪問する人にはちょっと分かりにくいかも知れませんが、そのあたりを歩いている人達に聞けば直ぐ教えてくれます。

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素敵な陶器などには殆ど興味のなかった私ですが、でもリチャード-ジノリ陶器のアウトレットを見てから少し変わりました。
先ず建物に入ると、置かれている食器類の数の多さにびっくりさせられます。ガイドブックなどには白い食器しか置いていないように書かれていますが、とんでもない。花やフルーツのモチーフのものから、色付きのものまで各種そろっています。そっと、お皿やカップの裏を返して見たら、ちゃんとリチャード-ジノリの名前が入っていました。

コーヒーカップ1個とか、お皿1枚から買えますし、又、コーヒーカップ12個+シュガーポット+ミルクジャー+コーヒーポットのセットなどもありました。このセットが150ユーロから200ユーロ以内で買えます。通常のお店で出されている価格をご存知の方はびっくりされるのでは・・・?

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私はこの食器類の繊細な形やフルーツなどのモチーフが気にいってしまい、花モチーフの小さなコーヒーカップを2個、いろんなフルーツの絵がとても可愛らしい小皿を4枚、ブルーの模様の色が素敵な大き目のボールを1個、スパゲッテイ用に花の形をした皿4枚、その他に友達の誕生日祝に大皿とバラの取ってのついた小さな容器を購入しました。
とにかく、可愛らしくて、繊細で、そして価格はとんでもなく安いと来ていると、ついついこれもあれもと手が伸びてしまいます。

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実は、早速ジノリの食器で食事をしてみたのですが、なんでしょうか、食べ物が特別美味しく感じるのですが、これは気のせいでしょうか・・・?
それから、昨日少し高級なレストランに行ったのですが、そこで私が買った食器についていたような小さな花柄がのついたお皿が出てきたのです。
いつもでしたら、「ああー綺麗なお皿ー」で終わる所が、なんとなくピーンときて、給仕さんのいなくなったスキを見てさっと裏を返してみると、ありました、リチャード-ジノリの名前が。展示場には1度しか行ったことがないのに、ジノリのお皿かどうか分かるなんて、自分でもびっくりしてしまいました。

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