ソムリエ免状授与式
イタリア全土が炎の中にあるようです。
北イタリアから南イタリアまで、暑いのなんのって。
北のコモ湖でも３３度、ミラノで３６度、フィレンツエ３７度、ローマを飛んでナポリは３８度、と２日前にはＴＶで言っていましたが、昨日はそれを上回り、何処でも４０度近くの暑さになったようです。
昨日、用事で外に出ることがあったのですが、歩いていると、太陽が腕に刺すようでした。
トスカーナの夏は今年で３回目ですが、こんな暑さを感じたのは今年が始めて。
なんて言っていると、あるお店のご主人が、
「私はね、生まれてからづーっとここに住んでいるけど、こんな暑さは始めてだよっ！」
と言っていました。
昨日は初めて帽子をかぶって歩いた日でもあります。
寒いよりも暑い方が好きな私ですので、サングラスは離せませんが、帽子だけはかぶったことがなかったのに、昨日だけは放せませんでした。
聞いてください、なんと、今年はイタリア２００年ぶりの暑さなんだそうです・・・！！
は～ぁ、どうりで暑いわけです・・・・。
そして今日も暑い！！！
さて、昨夕は、主人のソムリエ免状受与式がヴォルテッラでありましたので、行って来ました。
可愛そうに、普段は半ズボンにポロシャツでいる彼が、式にはタキシードで来るようにといわれたようで、ホテルに向かう時には黒ズボンにシャツ、蝶ネクタイ、そしてジャケットを着用し、暑いよなー、なんて言っていましたが、それが上手い具合にホテルに到着した時点で太陽が隠れ、かなり涼しくなってくれてやれやれでした。
ただ、彼が着用していた蝶ネクタイはボルドー色で黒ではなかった為（その色しか持っていなかった）、世話役の女性から
「本当は黒じゃないといけないんだけど、貴方はエレガントなフランス人だから、まあいいかぁー」
と言われてしまいました。
ソムリエのお仕事をする時にはネクタイは黒と決まっていますが、まあ昨日は式に望む人、という事で特別に良かったようです。それに他の新ソムリエ達はタキシードには無頓着で、普通の服装で来た人もいましたので、それなりの格好をしてきた主人はソムリエの会長達にも喜ばれたようです。
勿論、式は夕食会から始まりました。
夕方８時から、という事ですがここがイタリアです。絶対時間どおりに始まらないことはもう知っていましたので、私達が会場になったホテルに到着した時は８時半頃。それでもまったく始まる様子なし。
やっと９時頃になり、テーブルにつく事になりました。
先ずはオルガナイザー達のスピーチから始まり、食事が出てきたのが１０時近く。
昨夕のメニューは全て魚料理で、それぞれに出てくるワインは冷たく冷やして飲む、白とローゼのシチリアワインでした。暑い日には最高です。
３種類のアンテイパストから始まり、プリモがペンネと蟹のパスタとイカ墨のリゾットの二皿、セコンドが白鯛の料理、その後フルーツのマチェドニア、そしてケーキ。
お腹が空いていましたが、最初から飛ばして食べると後が大変だと分かっていましたので、本当はアンテイパストのお代わりがしたかったのですが、そこはぐっとガマンをして、その後のペンネと蟹のパスタに移りました。しかし、もうその頃からお腹が一杯になってきて、イカ墨のリゾットは始めてでしたし、美味しかったのですが、半分も食べられず。
１１時頃に食べ始めたセコンドなどは魚に少し手をつけただけで終わりました。
最後のケーキなどは味見程度。
あ～あ、なんと胃の小さいこと。
勿論、他の人達はお代わりはするし、ちゃーんと最後まで食べていました。
ケーキを食べる前に、いよいよ免状の授与式が始まりました。
ソムリエの会長が免状を手渡してくれます。
そして「タッス・デゥ・ヴァン」と言う鎖付きのワイン試飲皿も首にかけてもらいます。
主人の嬉しそうな顔。
でもソムリエ全員と一緒に移っている写真を見てください。庭仕事と海で彼の顔が日焼けしているので、なんだかタキシードを着た黒人のタップダンサーみたいで笑えます。
こうやってソムリエの免状をもらっても、別にそれを仕事にする人は少なく、ただワインが好きだから勉強してみたという人達が殆どです。
ただ、大きな式典でワインをサービスするソムリエが必要な時などには、彼等にお声がかかります。
昨日も、２００４年の３月末にシチリアで大きな式典があるので、今回免状をもらった人達にも是非来て手伝って欲しいと会長が伝えていました。
新ソムリエ達は大喜びで、きっと始めてのテーブルでは手が震えて、ワインをテーブルの上にこぼすんだよー、なんて冗談を言っていましたが、本当にその場になると皆真面目な顔でワインをサービスするんだろうなあ、と思うと微笑ましくなりました。
そしてもっと喜んだのが新ソムリエの奥さんやガールフレンド達で、「イエーｲ、シチリアに行こうーー」
と大はしゃぎ。
勿論、私も彼と一緒にシチリアに行きますよー。
