ナターレ2003
クリスマスもいよいよオーバー。
クリスチャンではない私たちには、クリスマス前の準備が楽しくて、家の前にイルミネーションを飾ったり、家の中には枯れ木を拾ってきて、それにシルバーの色を塗り、色とりどりのガラスのボールをゴールドのリボンで飾ったりと、結構ワクワクした日々を過ごしましたが、いよいよクリスマス当日となると、なんとも平凡な日が過ぎて行きました。
こちらではクリスマスは家族が集まって過ごすことになっており、遠く離れた家族一員が集まり、昼食を一緒にする習慣になっています。
それで、友達にプレゼントをクリスマス前日に渡したら、それからクリスマスが終わる数日間、ほとんど彼等に会うことはありません。
それでも私達は、24日はヴォルテーラでアグリツーリズモを経営している、御主人がイタリア人、奥さんがオランダ人の友達の家に招待されました。
奥さんがオランダ人であるため、何かとイタリアとは違った北ヨーロッパ式のクリスマスの飾りや食べ物があったりで、面白いのです。
小さい男の子が二人おり、まだサンタクロースがプレゼントを持ってくると信じており、ちょっとビックリ。
両親が子供に、「行儀よくしないとサンタクロースがプレゼントを持ってこないよ」とか、「親の言うことを聞かないとプレゼントをもらえないよ」なんて今でも言っているのには驚かされます。
上の子は既に小学3年生で、学校に行くと友達からサンタクロースなんて存在しないよ、なんて聞いているようですが、下の子はまだ小さくて、完全にサンタクロースの存在を信じており、サンタクロースの名前を出すだけで、何でも言うことを聞くのですから可愛いというか、酷というか。
いくら小さい子でも、嘘をつくのはねー、と思う私ですが・・。
さてその日の夕食は、ツナパテのアンティパスト、スパゲッティボンゴレ、サーモンとジャガイモのオーブン焼き、そしてドルチェ。
ドルチェには、クリスマスには必ず食べるパンドーロ又はパネトーネ、彼女手作りのクリスマスクッキー(これが北ヨーロッパで食べられるお菓子)、そしてこれも彼女の作で、プラムの白ワイン漬け。1週間前から漬け込んでいたのだそうです。これをアイスクリームとホイップクリームで食べます。
子供達のいる、賑やかな楽しい夕食でした。
そして子供達は、明日の朝にはクリスマスツリーの下にプレゼントが届いているはずだからと、10時にはベッドに入りました。
朝起きて、プレゼントを見たときの子供達の顔が見たかったものです。
25日。
この日が家族団らんのクリスマスの昼食となっています。
みんなプレゼントを開けながら、わいわいと食事をするのです。私たちは大家さんちのおばあちゃんの家に招待をされました。
可愛そうに、エリーナおばあちゃんの息子さんはサンサルバドールに単身赴任でいない、奥さんはレストランでお仕事、上のお姉ちゃんは、おばあちゃんの孫ですが、彼氏と彼の故郷南イタリアに行ってしまい、下の孫はお母さん方の昼食会に行くことになり、家族の為に料理をするのが生きがいになっているおばあちゃんは、たった一人でクリスマス昼食を食べることになりそうだったのです。
幸いなことに私たちが行くことになっていて、おばあちゃんをがっかりさせなくて済み、皆でほっとしたものです。
おばあちゃん家では、トスカーナではこれが習慣だというブロード(コンソメ)がまず一番にでました。
鶏肉や牛肉そして野菜を入れ、コトコトと何時間も煮たのだそうです。
これは最高でした。
その次が、ラザーニア、そしてサーモンの包み焼き、それからローストビーフにジャガイモの付け合せ、サラダ、チーズ、果物、お菓子。
普段でも、おばあちゃんの家に食事に行くと、プリモ、セコンド、チーズ、果物は必ず出るのですが、25日はセコンドが2回もあり、もうお腹が一杯。
それでも、「もうちょっとどう?」なんてすすめてくれるのを断るのに大変。
本当にご馳走様でした、おばあちゃん。
さて、26日は海際の町チェチーナに住む若いカップルに招待され行って来ました。
既に毎日食べ過ぎ状態のところなのに、またもや夕食にいくことに。
若いカップルの彼のほうは警察官なのですが、彼が話し出すともう面白くてお腹が痛くなるほどです。彼女のほうは夏場だけホテルに勤めています。
というのも、彼女は彼女のイタリア人の両親がスイスに出稼ぎにきているときに生まれたので、イタリア語のほかにドイツ語、フランス語がぺらぺらで、ホテルのレセプションには最適なのです。
彼等とは別の友達の紹介で知り合いになったのですが、とても気さくな二人で、即意気投合してしまいました。
私達は私達の町で一番美味しいといわれているお菓子屋さんに「トルタ・デ・ノンナ」を注文して、出来立てほやほやのケーキを持っていきました。
スプマンテとデザートワインも持参です。
ちょうどこの週、彼等はビッボーナに住むスイス人のカップルの家の留守番をすることになり、町にあるマンションを離れて郊外にぽつんと建つ一軒家に来ていました。
9頭いる馬と5頭のロバの世話もすることになっており、朝は忙しくしている間に時間が経ったようですが、午後暗くなってから、何をしていいのか分からなかったと嘆いていました。
この家にあるTVはドイツ語が主になるようにセッテイングされており、クリスマス時期に新しい映画がでていたはずなのに見れなくて、と彼。
家の周りは大きな土地が広がり、それこそ家の近くには人っ子一人通りませんし、車が通る道もはるかかなたにあり、音なんてまったく聞こえません。
彼等の愛犬ドッベルマンも吠える的がなくて、一日中じっとしていたそうで、彼等は私たちがやってきて少しほっとしたようでした。
さて、26日の昼過ぎ、彼等がチェチーナの町に買い物に行こうと車を飛ばして行ってみると、店が全部閉まっていて何も買えなかったという事で、夕食はスパゲッティとトマトソース、そして生ハムとチーズだけの夕食になりました。
彼女が大きなサラダを作り、かなりシンプルな夕食となりましたが、でも毎日食べ過ぎ状態だった私達と彼等はそれで十分で、後ケーキも続くということで、大満足。
まずはスプマンテで「アウグーリ!」となったのです。
トスカーナには家族のいない私達ですが、この数年で沢山の知り合いが出来、クリスマスも楽しく過ごすことが出来ました。
トスカーナが今は私たちの郷。幸せな私達です。
では皆様、どうぞよいお年をお迎えください!
アウグーリ!