Kiyomi D.

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リボルノ

Livorno

う~~~~む、エスプレッソのいい匂いが家中に漂っています。イタリアのコーヒーメーカー「モッカ」をご存知ですか。
下の部分に水を入れ、真ん中にコーヒーの粉を入れて、上部をねじ式でしっかりと閉める機械です。
このしっかりと閉める所が大事で、みんな力任せに「うん、うん」言いながら閉めるので、洗うときに上部がなかなか開かなくて困ることがよくあります。
このコーヒーメーカーは、1人用、3人用、5人用、一番大きいのは20人以上用と奇数で大きさが異なり、普通の家庭では違った大きさの物が2~3個は常備されています。

朝、このエスプレッソの匂いが漂うと、眠っていた頭だけではなく、家中を起こしてくれるようで、気持ちのいいスタートができます。
イタリア人は朝食をとる習慣がありませんが、でも一杯のコーヒーがないと1日は始まらないのです。

今、私たちの乗っている車は日産のプリメーラで、約6年ほど前にスイスで買った物です。
ですから、今でもスイスナンバーを付けています。
イタリアで生活を始めましたので、イタリアナンバーに変えようと試みたのですが、これがとてもややこしいのです。
周りの友達からは、警察から言われもしないのに、何か正しいことをしようとすると、ここイタリアではもっとややこしくなるから止めた方がいいよ、と助言をされてしまいました。
と言うことで未だにスイスナンバーなのですが、困ることがひとつあります。
車検です。

スイスナンバーですので、車検はスイスでしないといけません。
3年前はスイスまで片道8時間もかけて持って行きました。
持って行く前にこちらイタリアのガレージで、車検に通るようにいろいろ点検してもらい、これでよし、ということでスイスに行ったのですが、点検では全て良かったものの、ひとつだけ怒られたことがあります。エンジンを洗っていなかったのです。
「エンジンを洗ってないじゃないですか。次回はちゃんと洗ってくるように!」
と言われてしまい、早速イタリアに帰ってきてからガレージに洗ってくれるように持って行きました。
洗ってくれたのですが、ガレージから持ってきた途端に車が動きません。
ガレージの人を呼んで見て貰うと、どうもエンジンに水が入ったらしいのです。
ガレージの人いわく、
「あのねー、エンジンなんて洗わないほうがいいよ。こんな風に水が入るからね」
ですって。
こちらではエンジンを洗うなんて考えもしないようで、ガレージの人も洗い方を知らなかったようです。
お国柄の違いです。

さて、今年も車検に来るようにスイスから通達がありました。
それも2月ですって。
夏のスイスはそれは綺麗ですが、冬のスイスなんて行きたくありません。
もし雪が降っていたら、それようのタイヤを付けていないといけません。
そんなタイヤ、トスカーナでは使用しません。
冬のスイスはグレー一色で、寒くて、あまり魅力があるとは言えません。

行くのは嫌だなー、と思っているところに、1回だけだったらイタリアの認定されている所でも車検が受けられると主人が聞いてきました。
それで、今週、リボルノへ行ってまいりました。
月曜日に必要書類を貰いに行き、木曜日が車検の日でした。
車検は朝8時半から11時までとの事で、私達は8時15分頃にはリボルノのオフィスに到着しましたが、既に5~6台の車が前に待っていました。

8時30分きっかりに門が開き、やっと車検の開始です。
しかし、開始したけれど、どんな車検をしているのか、待てど暮らせど、列はなかなか前に進みません。やっと私達の番になったのが11時過ぎ。
車検はいやに簡単に済み、これでやれやれと思っていると、それからさらに支払いがあり、そして再度オフィスへ行かないといけないとか。
近くの郵便局を探して支払いを済ませ、その領収書を持ってオフィスへ行き、それから又少し待って、やっと最終のOKの書類を貰ったのが12時でした。
まあ、片道8時間かけて寒いスイスへ行くことを考えたら、なんてことはありませんが。

リボルノの町には大きな港があり、その為各国の船が往来し、町は大変繁栄しています。
港近くには大きな17~18世紀の建物が並び、走っている車の数も大変な物で、トスカーナ内陸にある可愛い中世の町に比べたら、なんだか怪物のようです。
旅行者が楽しめるような物も殆どなく、観光地ではなく産業都市そのもの。
しかしやはり海に面した街ですので、漁船は多く、朝獲りたての魚を小さな港で直売していました。
それでも、リボルノにも少しは旅行者を集めようと、港から少し離れた海の前に素敵な歩道が出来上がりました。
歩道は長く何キロにも延び、床の装飾や手すりは美術館のようで、そこには水族館やメリーゴーランド、バーなども作られており、夏には家族連れで大変賑わう事でしょう。
でも、私にはリボルノにある大きな魚市場が魅力的です。
ここでは、普通の魚屋ではめったにお目にかかれないトロが見つかることがありますからね。