Kiyomi D.

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ブルネッロ・デイ・モンタルチーノ

brunello di montalcino

今週の月曜日、「ブルネッロ・デイ・モンタルチーノ1999年」の発表会に行ってきました。

エノテカ、レストラン、ソムリエ等、ワインに関したお仕事をしている人達に招待状が送られ、モンタルチーノにある城壁の中でそれは行われました。

ブルネッロのワインは5年熟成されて市場に出てきます。
ですから、今年のブルネッロは1999年物になります。

モンタルチーノの町はとても小さな町ですが、その中心にある広場の一壁に、30cm角ほどのいろんなデザインの陶器がはめ込まれています。
この1枚1枚が各年のブルネッロの評価を表わしています。
それぞれ有名人が陶器をデザインしており、例えば、ベネトンの写真家・トスカニ氏、ファッションデザイナーのミッソリーニ、プラダ、等のものが並んでいます。
評価は星の数で分かるようにされており、5星が最高です。
5星を貰った年は1990年、1993年、1995年、1997年。
1999年は4星でした。

brunello di montalcino

さて、私と主人は昼前に会場になっている城壁に到着しました。招待客専用の駐車場が用意されていると書いていましたが、到着すると、勿論そんなものはありません。
ラッキーなことにすぐに駐車できる場所を見つけ、同じように招待状を手にもって歩いている人たちに続きます。

招待客用の発表会は日曜日と月曜日にありましたので、なんとなく、月曜日はそんなに人出は多くないだろうなんて思いながら会場に向ったのですが、会場となっている大きなテントの入り口に立ったところで、ビックリ。
あまりの人出なので、入り口で入場制限をやっているのです。

入場制限をやっている後ろは白いテントが下りていて、中はまったく見えません。
中に入るまで、なんだかワクワクさせられます。
やっとOKが出て、中に入ると、うわっ!2度目のビックリです。なんて人の多いこと!
テントの中は人、人、人。
そしてワインの匂いがぷーんとしてきました。

中に入ると、試飲用のグラスとグラスを入れる可愛いエプロンを15ユーロで貸ります。
このエプロンは後で買うことが出来ました。
今回は131件のワイナリーがそれぞれ自慢のブルネッロを紹介していました。
長いテーブルが何列も並び、名前のABC順にワイナリー達が数種のワインを用意しています。

テーブルの前をゆっくり通りながら、興味のあるワイナリーの前で止まり、試飲したいワインを示してグラスを出すとついでくれるようになっています。
ワインを試飲しては、入り口で貰ったワイン評価帳に一生懸命書き込んでいる人が沢山います。
私と主人は別行動をとることにし、彼は試飲をするために人混みに消えていきました。
私は飲めませんので、写真を撮るために、これまたワイン片手に立ち並ぶ人達の中に入っていきました。

brunello di montalcino

会場はワインの匂いと人の声で満ちています。
みんなグラスを片手に、ワインの色を見たり、口に含んだり、匂いをかいだり、感想を述べたり・・。
ワインの匂いをかぐときですが、こちらの人の鼻は大きいので、鼻先がそのままグラスの中に入ってしまい、匂いをかぎやすそうで便利だなと思います。
みんなかなり真剣な顔をして試飲をしています。
遊びできているのではないなー、と言うのがひしひしと伝わってきます。

さて、あちらこちらで写真を撮っている内に、幾人かの日本人も混じってワインの試飲をしていることに気づきました。
この日は招待客しか入れないようになっていますので、ここに日本人がいるという事は、彼らはイタリア在住の人達だという事です。
私は、急にこちらのほうに興味がわいてきました。
これはちょっとインタビューしてみなければ。

先ず最初に目に留まったのが、スエーデン人のワインーメーカーの前で試飲をしていらっしゃった日本人男性です。
このスエーデン人のワイナリーは数年前に訪問したことがあり、彼が自分が作るブルネッロがこの辺りで一番美味しいんだ、と自慢していたのを覚えています。
とにかく、熱心に流暢なイタリア語で話をされていたこの日本人男性の後ろで待つこと数分。話が終わった所で、早速インタビューをさせていただきました。

brunello di montalcino

彼の名前は横田アキヒロさん。
ボロー二アでイタリアンレストランのクックとしてお仕事をされていらっしゃるのだそうです。
彼のイタリア人友達が横で、アキヒロさんが作る料理は最高に美味しいんだ、と一生懸命宣伝をしてくれました。
アキヒロさんはイタリア-日本間を行き来して10年になるそうで、この4年ほどずっとイタリア生活が続いているそうです。
33歳ととてもお若いのにファイト一杯の方で、35歳で茨城でお店を開きたいのだとか。
親しみのある笑顔と、好きなことをやっている充実感と自信が体中からあふれている方でした。

お話をしている間に彼の日本人のお友達も集まってきて、またもや話に火がついたように盛り上がります。
お友達の方はソムリエの資格を取られた方で、名前は村木薫さん、そして彼の奥様。
彼らもお若い方達で、同じようにボロー二アで生活をしていらっしゃいます。
ただ、今日本からお仕事のオッファーがあり、近じか日本へ帰られるかもしれないとのこと。
それにしても日本の若い方達が、外国で頑張っていらっしゃるのを見るのは頼もしくて嬉しいものです。
彼らの顔は輝いています。

しばらくお話をした後、メールアドレスを交換して、お別れすることになりました。

またもや私はフワフワと人混みの中に漂っていると、今度は日本女性にお目にかかりました。
彼女も又若い!名前はフミ子さん。
レストランで働いていらっしゃるのだそうです。
お1人でワインの試飲をしていらっしゃいましたが、「たくさん試飲をしたために少しポーっとなっているんです」と人懐こい素敵な笑顔を見せてくださいました。
写真も撮らせていただき、「今週末に私のHPに写真が載りますから見てくださいね」、といってお別れしました。

brunello di montalcino

ウ~~~ン、皆なんて気持ちのいい人達なんだろう!
と思いながら、次に出会ったのがお若いご夫婦。
今までの調子で、「ちょっとインタビューさせていただけますか?」と笑顔でお願いしたら、今度はなんと冷ややかな態度を返されてしまいました。
それじゃー、と私は行ってしまえばよかったのですが、もう少し突っ込んで質問してみましたら、彼はソムリエで、奥様はフィレンツェにある日本レストランで働いていらっしゃるのだそうです。
あまりに冷たい態度なので、お聞きしたのはこれだけ。
主人の所に戻ると、見ているだけでも冷たい態度は手に取るように分かったとか。
あ~ぁ、こんな日本人もいるんだなー。

さあ、気分を直すために腹ごしらえ、と横のテントに用意された立食ビュッフェに行くことにしました。
トスカーナサラミ、ペッコリーノチーズ、パンと豆のスープ・リボリタ、ミックスサラダがテーブルにずらーっと並んでいます。
ここではワインはなしでお水だけ。
その代わり、何十種類ものオリーブオイルとグラッパの味見が出来るようになっていました。
大きな鍋で煮たであろうリボリタがそれは美味しかったこと。
食後はエスプレッソで終わるようになっており、完璧なオルガナイズでした。
これ、全部招待状に含まれていて、ラッキー。

brunello di montalcino

主人のジョン・クロードもワインの試飲で少しホワーッとしているといっていましたが、食後のコーヒーとグラッパで、いっぺんにすっきりしたと言っていました。
すっきりしたので、もう一度試飲の会場に戻ることに。
今度は写真撮りだけです。
そして今度は、この会場でソムリエとしてお仕事をされている日本人男性を発見したのです。

スーツに身を包み、襟の所にワインの味見用の小さな皿のバッジが付いています。格好いいのです。
どうどうとイタリア人に混じってこの会場でお仕事をされている,日本男性。
背筋もしゃんと伸びています。
これはインタビューしなくてはいけません。
彼の丁寧な態度にほっとしながら、インタビューをさせていただきました。

brunello di montalcino

お名前は高橋光太郎さん。なんだか俳優のようなお名前です。
お歳はお尋ねしませんでしたが、彼もとてもお若い。
今はシエナにお住まいで、ソムリエながら、まだ大学で研究もされているとか。
皆さんそうでしたが、彼もしっかりとしたご自分の考えをお持ちで、イタリアで経験と実績を積んでこられた自信が体からにじみ出ていました。
しかし、お話をされるときは謙虚な態度で、しかも自然で、大変好感の持てる男性でした。

それにしても、みんな流暢にイタリア語を話されるので嬉しくなってしまいました。
ブルネッロも良かったけれど、私には特別な収穫があった日でした。

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