麦刈りの時期
今、麦刈りが終盤に入ったようで、朝から夕方遅くまで麦刈用の大きな機械「トレビアトリッチェ」がグ~ン、グ~ン、キュル、キュル・・と大きな音を立てて動いています。
周りの風景はすっかり黄金色に変わり、トレビアトリッチェによってできる縞模様の刈り後がまるで絵画のようで、自然の面白さを楽しませてくれます。
残った藁を大きなバームクーヘンのように丸く包み、平野に転がしているところも、又写真になるのです。
この麦刈りの機械トレビアトリッチェですが、見上げるほど大きくて、素晴らしい機能を持った機械なのです。
先ず運転席はガラス張りで、中はエアコンつきです。
麦を刈るとものすごい埃が立ち上がります。その中を何時間も運転するのですから、エアコンつきで窓を閉めていないと仕事は出来ないでしょう。
それからこのあたりの麦畑は平野ではなく丘の斜面にありますが、そんな斜面を運転していても運転席はまったく傾斜を感じないようにできているのだそうです。
だからこのトレビアトリッチェを運転している人は、ちょっと鼻が高いのです。
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日本は暑い日が続いているようですが、こちらはここ数日かなり涼しくなっています。
北ヨーロッパでは、2000mまで雪が降るなんていわれており、昨日ドイツから電話をしてくださった早苗さんは雪がちらつくのを見ましたと報告してくださいました。
そのおかげで、北イタリアは勿論、トスカーナも冷たい風が吹いており、気温がかなり下がっています。
日中温度は25~6度。夜は15度まで下がります。
なんとも気持ちのいい日々ですが、夜は肌寒い。
この気候は来週の木曜日まで続き、金曜日から又暑くなるとの事。
去年が酷暑だったため、今年の夏はなんだか拍子抜けした感じです。
それでも旅行者は後を絶たず、週末は何処の高速も渋滞が続いています。
北ヨーロッパやアメリカ人達の旅行者は勿論、イタリア人の週末移動も激しくなっています。
みんな、海に向うのです。
7月、8月は夏休みの時期で、お店を持っている人も“旅行者が多いのでこの時期は稼ぎ時”と見る人より、“夏休みをとる時期”と考える人の方が多く、「XXからXXまで夏休みで閉めます」という張り紙をして2~3週間ほどシャッターを閉める所がたくさん出て来ます。
お金を稼ぐのも大事だけど、先ずは自分が楽しむのが一番大事、とこちらの人は考えるのです。いいことです。
だから、ストレスも少なく商売が出来るのでしょう。
日本人のように1年に1週間だけの休みでは日ごろのストレスもなかなか消化できないし、新しいエネルギーを蓄えるのも難しいのでは・・・?
さて、イタリア料理はおいしいことで有名で、そしてイタリア人は食べることが大好きです。
そんな食べることが大好きな家族を持ったマンマは殆ど全員が料理上手でもあります。
今はモダン社会でそうでもありませんが、昔の女性は料理つくりが生活の中心だったような所があります。
パスタも手作り、ソースも勿論。
今日も大家さんちのおばあちゃんからお昼に招待され、パスタのミートソースかけ、チキンのグリル、グリルポテト、サラダ、チーズ、フルーツ、アイスクリーム、そしてコーヒー(ふ~~~う)というコースをご馳走になりましたが(いつもこうなんです)、彼女はこうして家族に食事を作るのが生きがいのようです。
彼女のミートソースはそれはおいしくて、卵入りのパスタもちゃちゃっと5分で作ってしまいます。
彼女からこの仕事を取ってしまったら、きっと彼女は急激に衰えてしまうでしょう。
ところがです。
こんな風に料理に生きがいを持っている人でも、ちょっとだけ手抜きをするのですね。
ミートソースやパスタを手作りするおばあちゃんが、サラダは洗って切ってパックされたものを買うのです。いつもそうです。
大家さんちの奥さんはレストランで働いていますが、そんな彼女も家で食事を作るときには、平気で手抜きをします。
例えば、ジャガイモは洗って皮を剥いて冷凍されたものを買ってきたり(フレンチフライドではなく)、サラダもパックされたものを買ったり、ちょっとしたことですが手を抜くのです。
でも、私はここが好きなのです。
料理上手だからと全てを気負って作るのではなく、どこかですっと手を抜く。
いいですねー。
これがストレスを少なくする秘訣ではないでしょうか。
一生懸命頑張らなくても、食べる人は十分楽しんでくれます。
食べる人も楽しいし、作る人も楽しくないといけないのです。
イタリア人のリラックスの仕方、うまい!私も見習おうっと。