スパ
ようやくトスカーナも数日前から暖かくなり始めました。
青空も広がり始めました。
昨日は干していた洗濯物がこの冬初めて1日で乾き、こんなところに春を感じています。
「三寒四温」と言う言葉があると教えてくださった方がいます。
暖かくなってはまた少し寒さが戻り、そしてまた暖かくなる、と春は徐々にやってくるもののようです。
楽しみに、じっくり待つことにしましょう。
先週の、太陽は出ているけれどまだ気温が低いある日、私とジョン・クロードは海際にある「タラッソ・リゾート」(スパ)へ行ってきました。
私の住んでいる所は地熱発電所があり、そのため温泉も多いのですが、この海際のスパへ行くのはこの日が初めてでした。
友達に教わった通りに走っていくと、本当に海の真ん前にそのスパがある5星のホテルが建っていました。
5星と言ってもトスカーナの海際にあるホテルですから、どーん,と何階もある建物ではなく、トスカーナの雰囲気を残しながらも、リゾート風な高級感を醸し出している素敵な造りです。
広い庭から入っていくと、階段があり、そこを上がったところに入り口がありました。
入ってみて、「Wow!」です。
中は 思ったよりも大きく、感じのいいレセプションの横に座り心地の良さそうなソファーがロビーいっぱいに広がり、前方にある大きな窓からは海が見えていて、それこそリゾート地に足を踏み入れたような、開放感があります。
予約をしていましたので、その旨をレセプションに伝えると、エステの係りの人が私達を迎えにきてくれました。
廊下を少し奥に歩いて行ったところにエステ用のレセプションがあり、そこで名前、住所等を伝え、さらにいくつかの書類にサインをして、いよいよエステの入り口に連れて行ってくれました。
エステと言っても今回私達はここにあるプールを使おうと思ってやってきたのです。
話によるといろんなプールが楽しめるようで、まずは着替え室で着替えます。
エステのレセプションで既にロッカーの鍵をもらっており、その番号のロッカーを開くと、そこには薄い水色のバスローブと真っ白なスリッパが入っていました。
タオルはそこら中に新しいものが山積みになっており使い放題。
何だ、何も持ってこなくても良かったんだ。
私物のバスローブやタオルの入った大きなバッグがロッカーに入らなくて、どこに置こうかと思案すること数分。
思案しても入らないのは入らない。
しょうがないので、ロッカーの下の隙間に押し込みました。
まあ、こんなところにバッグを盗みにくる人もいないでしょう。
水着に着替えて水色のバスローブをきたら、再度エステのレセプションに。
そこから先ほどのエステの係りの人が私達をプールに案内してくれました。
歩いていく廊下には既にアロマの匂いが充満しています。
そしてプールのある場所に足を踏み入れて驚きました。
たどり着いたのはなんと洞窟のようなところだったのです。
そこには暖められた海水のプールが5種類もあり、リラックスチェアーがあちらこちらのコーナーに並んでいます。
係りの人がひとつひとつプールの使い方を説明してくれました。
それぞれのプールはそれほど大きくはなく、だからこそ混雑しないように予約が必要のようです。
まずプール1。ここでは一番大きなプールで、なんと真ん中にエクササイズ用の自転車が5台も水に浸かっています。
その自転車を10分漕ぐか、またはプールの周りを8回回ります。
ジョン・クロードは自転車をやり、私はプールの周りを回りましたが、水が胸の上まできますので、歩くのはなかなか簡単ではありません。
そこを終わっただけでもう、ふうふうです。情けない。
ひとつのプールから次のプールに入る前には必ずリラックスチェアーで休憩をしなければいけません。
プール2。血液の循環をよくするプールだとかで、暖かい海水と冷たい海水の中を交互に8回歩くことによって循環がよくなるのだそうです。
まずは暖かい海水の中を歩きます。小石が引いてあり足のつぼにもいいのです。
浅瀬からだんだん深くなりまた浅くなる5m程の水路を歩いて、さあ、次は冷たい海水です。
冷たい海水に足を入れて、ぎゃっ、と一瞬固まりました。
冷たい!
暖かい海水の中を歩いてきた体には、これは冷たすぎます。
ジョン・クロードが「これはパスしよう」と一言。
でも、せっかくです、一度は試してみなければ話になりません。
と言うことで、一度だけこの冷たい海水の中に入ってみることにしました。
体を硬直させながらも足を徐々に入れていきましたが、冷たさが髪の毛の先まで感じられます。
水は太もものところまで来、さらに腰まで、そして胸の上までくるのです。
もう冷たくって早く通り抜けようと思うのですが、水が胸のところまでくるとなかなか早く歩けないものです。
エステの係りの人は、この水路はゆっくり歩くようにと言っていたのを思い出しましたが、そんなことは無理です。
やっと通り抜けると、頑張ってもう一度だけやって終わろうよ、と言うことになりました。
そして、2回目もやはり冷たい。
で、そこで止めるかと思うと、そうではなく、体が自然にまた暖かい海水の方に入っていき、そして冷たい方にも足が向くのです。
結局8回、私達はその水路を渡りきりました。
後半はすっかり慣れてしまい、ゆっくりと楽しんでしまったのですから面白いものです。
プール3。ジャクジです。
冷たい海水の中を渡りきった体には最高のプレゼント。
かなり大きなプールで、先ずは寝転んでその下に泡がぶくぶくと湧くジャクジを試してみました。
両脇にある手すりを握っていないと体がどこかへ浮いて行ってしまうほどジャクジはかなり強い勢いで、足裏から肩までの体全体を誰かにマッサージされているようでした。
プール4。泳ぐプールです。
小さいプールですが、水の勢いが強いので泳いでも泳いでも前に進まないと言うもの。ただ、この日は使えませんでした。
この後次のプールへ向かう前に、ここで、日本にあるような肩打ちの滝に入ります。
岩場に足を踏み込むとセンサーで滝がざーっと流れるようになっているのですが、 気をつけないと水の勢いで水着(特に女性は胸の部分)が流されてしまいそうで危ない。
プール5。ここはリラックスするためのプールで、さらに奥まった洞窟に入っていきます。
リラックスするためですから、海水の温度がさらに高くなっており「あ~あ、いい湯だなあ!」と言う感じです。
リラックスするだけにしてはプールがかなり大きく、私はゆーっくりと泳いでしまいました。
この日はオープンしたばかりなのか、私達以外に利用する客は2組いただけで、その2組もさっさと出てしまい、大きな洞窟は貸し切り状態でした。
この後は私の大好きなトルコ風呂です。
あの蒸気のモワ~ンと出ているところですね。
ここもかなり驚いてしまいました。
先ずグラスドアを入ると、気温の一番低いローマン風呂に入り体を慣らせます。
私などは生温くってさっさと出てしまいましたけど。
次にもう目の前が見えないくらいに蒸気のたっているトルコ風呂に入ります。
そこには水の噴射で体をマッサージするシャワー室や、熱くなったら入る冷たい水のバスタブなども備えられていて、設備は最高です。
さらに、その奥にもトルコ風呂は広がり、こんなに広いトルコ風呂を見たのはモロッコ以外だと、ジョン・クロードは言っていました。
すっかり暖まったら、最後にリラックスルームで休憩です。
ここには柔らかいラインのリラックスチェアーが並び、水、ジュース、お茶のセット、フルーツがあり、セルフサービス。
この部屋の奥まった壁にはトスカーナの風景が作られており、光の加減で夜明けから夜が更けるまでをゆっくりと見せてくれて、リラックスチェアーに座って見ているとすっかりリラックスしてしまいました。
ジョン・クロードはせっせとPCの本を読んでいましたけど。
後は着替えてレセプションに鍵を渡し、支払って終わりです。
料金は半日で1人40ユーロ。
私達は4時間もここで楽しんでしまい、このリゾートホテルを出るときには大きな真っ赤な太陽が海の中に沈んでいくところでした。
私達はプールを楽しんだだけですが、ここにはエステに関する全てのものを受けることができます。
フェイスマッサージ、ボデイマッサージ、トリートメント、ウオーターリバランシング、リフレクソロジーマッサージ、指圧、タイ式マッサージ、熱い石のマッサージ、霊気、ファンゴ等々。
次は是非マッサージを受けたいものです。