Kiyomi D.

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アンドレア・ボチェッリ

andrea bocelli

先日の話しになりますが、盲目のイタリアオペラ歌手アンドレア・ボチェッリの故郷ラヤティコで招待客だけの夕食会があり、そこにアンドレア・ボチェッリ自身もやってきて、私はラッキーなことに彼を見るチャンスに恵まれました。
ラヤティコにある劇場を改築したのですが、そこを「静寂の劇場」と名付け、アンドレア・ボチェッリがそこの名誉会長となったのです。
で、その日は記者会見があり、夜から記念パーティーとなり、そしてもちろんアンドレア・ボチェッリもその場に登場しました。

招待客だけの夕食ですから私が行けるはずもないのですが、ラッキーなことに300名ほどの夕食会でワインをサービスする20名のソムリエの一人としてジャン・クロードにもお声がかかったのです。
最初はソムリエの同伴は駄目となっていたので諦めていたのですが、前日に電話が入り、私も一緒に来ることが許されました。
夕食なんて食べられなくても、彼さえ見ることが出来れば本望だと思って行ってきました。
夕食会ですから、私も一応黒のドレスに身を包んで行ったのですが、これが正解でした。

小さなラヤティコの町の中心部にある広場にテーブルがお花のようにセッティングされ、椅子にもカバーが掛かっています。
招待客の女性達は黒を中心にした正装でしゃなり、しゃなりと歩いていて、まるでファッションショーのように小さな街が華やいでいました。
広場にはライトアップがされていて、「静寂の劇場」記念パーティーですから、周りが劇場のようにデコレーションされており、さすがアンドレア・ボチェッリが絡んでいるパーティーです。

さて、この夕食会のある広場は招待客でないと入れなくなっており、その為街の人たちは周りから中の様子をうかがっているのですが、私はソムリエの人たちと一緒に入っていきましたので、一人悠々と夕食会前の広場の写真を撮りまくる事が出来ました。
その時つくづく正装していて良かったなあ、と思ったのです。
とにかく、携帯電話と書類を抱えたオルガナイザーの女性もちゃんとドレスアップしていたのですから。
そこに黒のドレスを着た私が写真を撮りまくっていても誰もとがめる人はいないのです。
私は知りませんでしたが、TVに出ている“有名な人”も沢山来ていたようです。

私が広場の写真を撮っているときに、突然アンドレア・ボチェッリがやってきました。
数名のカメラマン達がシャッターをバチバチ押しながら彼の周りを取り囲んでいます。
インタビューを受けるために広場にやってきたようです。
アンドレア・ボチェッリは思ったよりも背が高く、すらりとしています。
背筋がすっと伸びていて舞台に立っているときと同じです。
紺地にアジアっぽい絵柄の入ったアロハシャツにジーンズをはいていました。
後ろから見ると目が見えない人とは信じられないくらい動作がスムーズです。
表情がいつも穏やかで気さくな男性。
彼は私の直ぐ目の前に座りました。
この時とばかり、私もカメラマンに混じって写真を撮りまくりです。
こんなに気分のいいことはありません。

そんなことをしている間に、ワインを作っているアンドレア・ボチェッリの弟も出てきました。
彼には数年前にワイン購入でお会いしており、お互い目でご挨拶です。
出来ればアンドレア・ボチェッリと記念写真が撮りたかったのですが、今回は300名の招待客に押されてしまいました。
又機会があるでしょう。
彼が名誉会長となった「静寂の劇場」は1年の内364日間は全く使用せず(静寂に保つのです)、1日だけコンサートなどが開かれるというもので、その時には勿論アンドレア・ボチェッリも出演することでしょう。

夕食会の最後に彼は自分でピアノを弾きながら歌を披露してくれました。
ライブの声は更に心に響きます。
彼の歌と共に色とりどりの紙吹雪が広場を囲んだ建物の窓から舞い、テーブルに座っている人々を驚かせてくれました。
素晴らしい演出でした。

andrea bocelli

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