満1歳の誕生日
日記は毎回お天気情報で始まりますが、今回もそれで行きます。
だって今日はそれは素晴らしいお天気ですから。
ここ5日ほど曇り空で雨も時々降りましたが、今日のような素晴らしいお天気になるとそんな日があったことはすっかり忘れてしまいます。
太陽がトスカーナの風景を浮き出すように輝き、空気も暖かくなって鳥たちもそれを楽しむようにピピピピ、チチチチと大合唱を始めています。
それを窓際に座って聞いている猫が本性で興奮しています。
あちこちの窓も開け放しており、部屋の中にも太陽の輝きが差し込んできて、私はその光の中でPCに向かっています。
溶けていきそうなほどいい気持ち。
勿論、 冬はまだ終わっていないはずで、来週の月曜日から又かなり寒くなると予想されていますが、こんなにいいお天気の日はトスカーナに住んでいることを心から幸せに思います。
1月も末となり、年が明けました、と言う言葉も遠くなりつつあるこの頃、いよいよ2006年が活動を始めたように感じます。
もうじきトリノでは冬季オリンピックが開かれます。
そのトリノ、この所の悪天候で大雪が降りオリンピックに間に合ったと喜んでいるものの、あまりの雪で工事が出来なくなったり又飛行機が飛ばなかったり。
その前はアリタリア社のストライキでフライトがキャンセルになっておりダブルパンチです。
開会式は大丈夫かな?
オリンピックの2週間、無事滞りなく行われるといいですね。
さて、今回の日記のテーマを「満1歳の誕生日」としましたが、そうなのです、大家の孫のエミリーが1月27日、満1歳の誕生日を迎えました。
トスカーナ日記にも彼女の誕生を書きましたが、あれから1年。
ミルクの匂いのする小さなエミリーを抱いてベビーシッターもしましたが、今は5分ほど抱えると腕がだるくなるほど大きく成長しました。
寝返りを打ったと喜んでいると、お座りが出来るようになり、少し手が掛かからなくなったねと言っているとハイハイをし始めて、うわ~すごい!もうハイハイをし始めたと驚いていると誕生日の少し前にとうとう歩き始めました。
なんという成長の過程!
誕生日まで後1週間と言う時にやっと1歩、2歩と独り立ちをして足を運んでいたのに、誕生日の日にはよちよちですが自分の行きたい方向へ歩いており、誕生日パーティーに集まってくれた人達を大いに沸かせていました。
エミリーのママとパパは(トスカーナではお父さんのことをバーボと言いますが、ここではパパとしておきましょう)一人娘のために誕生日パーティーを開き沢山の友達(ママとパパの友達ね)を招待しました。
その日の11時頃、私は用事があり下の大家の家に行ったのですが、その日のためにお仕事を休んだ大家の奥さん(まだ45歳のエミリーのおばあちゃん)、そしてママ、ママの妹たちが既に飾り付けを始めていました。
みんなまだパジャマ姿です。
この大家の人達は外に行く必要がないときは殆ど一日中パジャマ姿で過ごします。
男性のジョン・クロードが用事でやって来ても、奥さんや娘達はパジャマ姿で外に出てきて話しをしたりするので、最初はこちらの方が恥ずかしくなったものです。
まあ、それだけ家族の一員と思ってくれているのかもしれません。
18歳になる大学に入ったばかりのナイスボディの次女が、やってきた郵便配達人から小包を受け取るためにパジャマと部屋履きで家の前にある鉄門の所まで出てきたときには、へ~~~~と目が点になりました(もう言わないかなこんな言葉)。
無邪気というのか天真爛漫というのか・・・。
田舎に住んでいるから見られる光景でしょうか。
ちなみに彼女は高校を100点満点で卒業し、去年末フィレンツエにある心理学の大学に入学した才女です。
エミリーのパパも休日の日はパジャマ姿だし、雨など降っている日は朝から夜までみんなパジャマ。
勿論そんな日はエミリーもパジャマ。
この家ではパジャマ姿が一番リラックスするようです。
パーティーは午後4時からで家の中は勿論、鉄門の所にも「エミリー」と書かれた風船が沢山飾られました。
3時頃にはエミリーの曾おばあちゃんやおばさん達がそれぞれケーキを焼いて持ってきました。
その数約10個。
家の中はまるでお菓子屋さんです。
エミリーのママや大家の奥さんがそれぞれサンドイッチやスナックをお店に頼んで用意していたのですが、曾おばあちゃんやおばさん達はケーキを焼いて持ってくることでエミリーの誕生日を祝う気持ちを表したかったようです。
招待客が来始めたのが4時半過ぎでした。
イタリアですからね、4時から始まると聞いて4時丁度に来る人はいないのです。
勿論みんなエミリーへのプレゼント持参です。
おもちゃであったり洋服であったり。
エミリーはまだ何も分かりませんので喜ぶのはママと家族の人達。
パーティーのあった居間はたちまちの内におもちゃ屋さんのようにもなりました。
歌いながら身体をくねくねして踊る犬のおもちゃなどは大人でも楽しめますが、ちいさいエミリーはちょっと怖かったようで泣きべそをかきました。
それにしてもこの頃のおもちゃは凝っています。
ただ遊ぶだけではなく、遊びながら頭が良くなるように考えられていたりしてすごい。
一度1時間ほど眠ったエミリーですが、それ以外は午後から夜遅くまで可愛い笑顔を振りまいてパーティーに来てくれた人達をすっかり喜ばしてくれました。
最後に一本のローソクの火を消させようと彼女をケーキの前に立たせたのですが、まだ幼すぎて消し方が分からず、横で「ふー、ふー、するのよ」「ふー、ふー」なんて言っている大人達を「何言ってるの?」という感じでにこにこ見ていました。
無邪気な赤ちゃんは本当に可愛い。
大人になるにつれてこの無邪気さをどこかでなくしてくるのですよね。
悲しいなぁ。
沢山の愛情を受けて育つエミリー。
健やかに育って欲しいと願います。