ヴェネチアの旅
いよいよ待ちに待ったワールドカップが始まりました。
ご覧になりましたか?
私はこういうお祭りが大好きなのでちゃんとオープニングセレモニーから観ました。
まあ、ワールドカップのオープニングセレモニーはこんなものか、と言う感じの大して感動するものではありませんでしたが、往年の選手達が出てきたときには胸が熱くなりました。
と言っても私の知っている人はブラジルのペレとフランスの選手数人くらいなのですが。
早速ドイツが大得点を上げました。
さあ、これからどうなるか、日本チームは何処まで進めるか、これから1ヶ月気になるところです。
ヨーロッパは5月末から急激に寒くなりました。
この時期では30年ぶりの寒さだとかで、フランスや北イタリアでは雪が降り、トスカーナも寒い、寒い毎日が続きました。
朝夕の気温は6度くらいしか上がらず、日中も15度前後。
その前が日記にも書いたように夏らしい気候だったのでこの急な寒さに風邪を引いた人の多いこと。
はい、私もその一人です。
この冬は蒸気暖房のお陰で寒さ知らずに過ごしてきたのに、6月に入ってから冬を経験するとは、どうなっているのか。
今年の冬は着ることのなかった厚手のカーディガンを部屋の中で着なければ寒くてしょうがないという具合なのです。
でも、やっと昨日くらいから6月らしい気温が戻りつつあります。
今日は久しぶりに窓やドアを開けっ放しにし、昼食は庭で食べました。
やはり6月はこうでなければ・・・。
そんな丁度寒くなった週、今回トスカーナ訪問3回目という東京の聖子さんと一緒に私はヴェネチアまで2泊3日の旅行へ行ってまいりました。
小休暇です。
2年前に聖子さんがいらっしゃったときにヴェネチアの事が話しに出、今年やっと実行に移せました。
私は10年ほど前に一度ジョン・クロードと行ったことがあるのですが、聖子さんは初めて。
私のヴェネチアに関しての記憶も薄れており、久しぶりの小旅行でワクワクしてしまいました。
ユーロスターを予約して行ってきました。
フィレンツエ~ヴェネチアまで3時間の旅です。
少々寒いものの青空の広がる5月31日、 ヴェネチアはサンタ・ルチア駅に私たちは到着しました。
駅を出るともう目の前が大運河で、旅行者とヴァポレット(水上バス)の往来が目の中に飛び込み、その活気で気持ちが高揚してしまいます。
ヴァポレットの切符は3日券(25ユーロ、かなり値上がりしています)が便利だと知っていましたので早速購入し、ホテルまでいよいよ船旅です。
ホテルはサン・マルコ広場近くにあるホテルを予約していましたので、そこまでS字型の運河をゆっくりと船に揺られながら、ヴェネチア独特の建築物を見学していきました。
水の都ですから車の代わりに船が全てを運んでおり、人を運ぶ水上バスは勿論、野菜を積んだ船、魚を運ぶ船、ワインやオイルを積んだ船、そして救急車(救急船?)やパトカー(パトロール船?)まで勿論船です。
今までの常識がひっくり返されたような、なんだか面白い現象に心がコロコロと嬉しくなりました。
そうしていよいよあの黒塗りの優雅なゴンドラも姿を見せ始め、いよいよヴェネチアに来たことを認識させられました。
ヴァポレットの船着き場に到着すると、車掌(?)が大きな声でその船着き場の名前を言ってくれます。
私たちが下船したのはサン・マルコ広場に近いため、かなりの人出でした。
そこからブティックが建ち並ぶ通りを抜けてホテルまで到着。
チェックインしたら早速サン・マルコ広場まで行ってみました。
数分歩いて広場に到着した私たちは「・・・・・」。
ごめんなさい、「うわ~~!」と感動はしなかったのです。
いえ、広場が思ったよりも小さい。
広場の周りに建つ建物が黒く汚れていて綺麗とは言い難い。
世界で一番美しい広場を持つと言われるトスカーナにあるシエナのカンポ広場の方がよっぽど美しいでしょう。
ちょっとがっかりでした。
ヴェネチアは何でも料金が高いところだと聞いていましたが、本当にその通り。
特にレストランはトスカーナに住んでいると、とんでもないと思うほど高くて美味しくない(私たちにはしょっぱい)。
トスカーナの普通のレストランでプリモが8~10ユーロの所、ヴェネチアのごく普通のレストランで15~22ユーロ。
セコンドになると信じられないくらいの値段が付いています。
一度あるレストランで文句を言ったことがあるのですが、私がトスカーナに住んでいると分かると、「そりゃあ、トスカーナに住んでいたら美味しいものを食べられるわ・・」なんてウエイターに言われてしまいました。
トスカーナはイタリアの中でも美味しい料理とワインがあることで知られていますから。
世界的に有名な観光地ですから少々高いのは分かりますが、ヴェネチアのそれは材料が新鮮だからと言うよりも、ただ単に旅行者をバカにしているように感じてしょうがありません。
旅行者からだまし取ってやろうという雰囲気があちらこちらでぷんぷん匂うのは私だけでしょうか。
ヴェネチアでは商売人と旅行者の駆け引きが行われるところだと思います。
旅行者が少しでもうっかりしているとぽーんと料金をふっかけられます。
これは店の人が悪いのではなく、料金を確かめなかった旅行者が悪いのです。
さあ、ヴェネチアでどれだけふっかけられないで済むか。
これは面白い自覚の遊びです。
ヴェネチアには3日間滞在し、3日券1枚であちらこちらに行きましたが(限りなく何処までも行けて、これは本当に便利です)、聖子さんと私が一番感動したのがブラーノ島です。
漁師が遠くからでも自分の家が分かるようにとカラフルに塗った家が並んでいる小さな可愛い島です。
本島からヴァポレットで約50分。
人で埋まっているヴェネチア本土を離れて島にやってくると、旅行者は急に減り、そこには静かに暮らす島民の生活がありました。
どの通りもゴミ一つないほど綺麗に掃除がされ、そこに並ぶ小さな家がそれぞれの好みでしょうか、いろんな色に鮮やかに塗られています。
青、ピンク、サーモンピンク、 紫、黄、緑・・。
丁度ジャスミンの花の時期で、島全体が香水を振りかけたみたいに匂っていました。
島民も素朴で親切。
本島からやってくるとちょっと面食らいます。
道が分からなくなり、ちょうど青色に塗った家の前に出てきたセニョーラに訊くととても親切に教えてくれ、又ジャスミンの花の前で写真を写そうとしていると別のセニョーラがもっと沢山咲いている家の前を教えてくれたりしました。
青い空の下、ブラーノ島は透き通るように輝いていました。
ヴェネチアへ行かれるご予定がある方、どうぞブラーノ島はお見逃しなく。
ヴェネチアと言うとゴンドラ。
私たちも乗りました。
料金は短距離で80ユーロ、長距離で130ユーロ前後が今の相場の様です。
カンツオーネが付くともう少し高いでしょう。
誰か一緒に乗る人いないかなと乗り場近くでアイスクリームなどを買っていましたら、すぐにイギリス人の親子がやってきて相乗りとなりました。
相乗りは普通のようですから、気にならない方はどうぞ。