模様替え
8月に入った途端に急に涼しくなったトスカーナ。
7月末まで猛暑だったのが、8月1日の夜(!)から温度が下がり初め、2日目の朝など涼しすぎて毎朝行っていたドアと窓を全開して涼しい空気を家の中に入れると言うことが出来ませんでした。
カーディガンかなにかを羽織らないと寒いくらいなのです。
たった1日を境にこんなに激しい温度の差に驚きです。
それでも最高気温26度~28度、最低気温16度~18度の日が続き、トスカーナらしい夏が戻ってきたと喜んでいたのですが、今朝は霧雨のようなものが降っていて温度は17度。
9時近くには太陽が輝き始めたものの、お昼近くの温度は21度。
昨日から強い風が吹いているのですが、この風が温度を下げているようです。
8月の気温にしてはちょっと低すぎるように思いますが、水曜日から又暑い日が戻ってくるようですから、もう1度か2度は海に行けるかなと期待をしています。
さて、8月に入って直ぐの土曜日から私たちは家の中の壁塗りを始めました。
私とジョン・クロードはこの20何年間の間に12回引っ越しをしましたが(それは会社を辞めて半年から1年の旅行に出たためで、長期滞在のインドも入れると合計16回の引っ越しになります)、真新しいアパートでない限り、入居する前に必ず自分たちで壁塗りをしました。
古いアパートに入居の際、スイスでも新しく壁を塗り替えてくれる大家は少なく、塗り替えてあげるけどお金を払えと言うところもあり、それでは自分たちでやろうとやり始めたのです。
前入居者が煙草を吸わない人でもやはり長い年月の間には壁も薄く黄ばみます。
それに壁塗りをせずに入ると、なんだか前入居者のエネルギーが未だアパートの中に残っているようで余りいい気持ちがしないのです。
それで先ずはペンキとロールやブラシを購入し、えっさ、えっさ、と壁塗りなのです。
入居前のアパートは家具等が入っていないので壁塗りがしやすくて、1日~2日で全て終わってしまいます。
手間がかかるのは窓やドアに色が付かないようにテープを貼ることで、それが終わると後は早いものです。
ということで、今住んでいる家も入る前に壁塗りをしました。
でも、もう5年になりますし、それに3年ほど前からそれぞれの部屋を色違いにしたいという希望があったのです。
それをやっと今年実行に移すことが出来ました。
私は少しですが風水を勉強したことがあり、それぞれの部屋をその方角によって色違いに塗りたかったのです。
旨い具合に気温が少し下がり、窓やドアを開け放していてもさほど暑くはならず壁塗りには最適でした。
土曜日から初め、次の週の金曜日に終わりました。
丁度1週間。
壁塗り用の梯子に登ったり降りたりして、普段使わない筋肉を使いちょっと疲れましたが、でも今はその出来上がりに大満足しています。
先ずキッチンの壁塗りから始めました。
朝から音楽をがんがん鳴らして気分はノリノリ。
キッチンの壁は白のままに塗り直し、その代わり壁の上部に 可愛い花を金色で描きました(後に壁を黄色に塗り直しました)。
それだけでキッチンがエレガントになったこと。
次はリビングルーム。
北の方角にありますので色はブルー。
ブルーはリラックスする色でもあるようで、くつろぐ部屋にはぴったりです。
壁の上部の角に小さな模様を入れました。
3日目はさらに足らないもののお買い物。
4日目は慣れない作業に二人とも疲れがどっと出て休息。
5日目は寝室です。
ここはグリーン色です。
薄い色でなくては嫌だとジョン・クロードが言うので(又この家を出るときに白く塗り直すのにも便利なので)パステルグリーンにしましたが、病院や手術室にあるようなグリーンにならないかと最初は心配しました。
幸い、壁の上部に花の模様を濃いめのグリーンで描いた為、窓のカーテンともマッチして心配に及ばず可愛い寝室に生まれ変わりました。
最後が私たちのオフィスにしている部屋です。
ここが一番大きな部屋なのです。
オフィスはオレンジ色にしたかったのですが、あの普通想像する「オレンジ色」は濃過ぎて駄目なので適当な色を探すのに苦労しました。
結果的にメロン色に決定。
オフィスにはPCやらプリンターやら機械ものが多くて、更にそれに接続してあるケーブルの数も大変なもので、どうなることかと思いましたが、大きなプラスチックシーツと二人の共同作業でその日の内に壁塗りが完了しました。
壁塗りだけではなく、夕方からは家全体の大掃除も済ませ、それぞれのものをそれぞれの場所に戻して今回の壁塗り大作戦は完全に終了したのです。
夕食前には全てが終わっていて、大家さんちの奥さんがその手際の速さに驚いていました。
私たちは二人とも途中で放っておくということが出来なくて、例えば長い休暇から疲れて 家に帰ってきても、ホッとする間もなく直ぐにスーツケースの中身を取り出して、 それぞれのものをそれぞれの場所に戻すと言うことをやってしまいます。
別にそうしようね、と言い合わせたわけでもないのですが、二人とも似たような性格のようで、片づけてしまわないと落ち着かないようです。
さすが1週間の壁塗りのあとは二人共想像以上に疲れてしまいましたが、やはり色違いにして正解でした。
小さな家ですが、色違いに塗ったばかりにそれぞれの部屋がそれぞれの雰囲気を醸し出していて、一つの部屋から次の部屋に行くたびにアッと小さな感動があり楽しい。
メロン色に塗ったオフィスがジョン・クロードはたいそう気に入ったようで、温かい雰囲気があって居心地がいい、と絶賛しています。
仕事が以前にも増してはかどりそうです。
大家さんちも数年前に業者に頼んで壁塗りをして貰ったのですが、全室壁塗り(一色だけ)でその当時500ユーロ支払ったそうです。
私たちも業者に頼むことを考えたこともありましたが、やはり大変ながらも自分達でやったほうが納得したものが出来上がり、又作業中は共同作業の楽しさを味わえて一石二鳥でもあるので、やはりこれは止められないです。