Kiyomi D,

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初雪と葡萄畑

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今朝起きて窓の外を見たら、なんと雪!
思わずジョン・クロードを起こして降り続く白い雪を眺めてしまいました。
3月20日になってやっと冬ですか?
18日の日曜日まで快晴の日が続き、日中は日陰で20度以上、太陽の下に温度計を置くとグンと30度は超し、夜でも10度を下回る日がほとんどなかったというのに。
この日曜日にリボルノやピサなど各地で毎年行われている自転車競技が私の街ポマランチェでもあり、友達の警察官であるクラウディオも快適に走り、いい自転車日和だったと話し合っていたのに、ラッキーなことにそれが快晴最後の日だったようで、月曜日から少し様子が変わり、そして今日の雪。
へえ~~~、とただただ驚くばかり。
今年は暖冬のためタートルネックのセーターを着る必要がなかったのですが、これで着る機会がありそうです。
でも、すっかり春だと思いこんで花を咲かせた去年の鉢植えジェラニウムがきっと外でふるえていることでしょう。

先日、大家のダンテの希望で家の前の谷に葡萄畑を作りました。
ダンテは地熱発電所のエンジニアで2年ほど前から南アメリカに単身赴任で渡り、あちらで地熱発電所製作の指導に当たっていて、トスカーナの家に帰ってくるのはほんのわずかという生活を繰り返していましたが、今年やっとその仕事も一段落し、しばらくぶりに我が家へ帰ってきたのです。
帰ってきてもじっとしているダンテではなく、約5ヘクタールの自分の土地に降りていっては10本のチェリー、杏、アプリコットの木を植えたり、その木の間にアーティーショックの苗を植えたり、そしてそのフルーツの木の並ぶ道を「桜」と名付けて、大きな看板を立てました。
看板に漢字で「桜」と書いたのは、私です。
どうせ私以外の日本人が見ることはないだろうと、のびのびと書かせて貰いました。
そしていつも一緒に行動するのがジョン・クロード。
ダンテとジョン・クロードはすっかり親友になってしまいました。

そのダンテが新しく思いついたのが自分のワインを作ることです。
ある日、大家さんちの家族、私達、そしてダンテの従弟家族全員で食事をしているとき、突然ダンテが立ち上がりスピーチを始めました。
実はワインを作りたい、その為にはみんなの協力が必要なので手伝ってくれという内容でした。
一度言ってしまうと話は早いもので、快晴のある日、早速、男性陣はブルドーザーで土地を耕し、葡萄の苗を買いに走りました。
葡萄を植える土地は一日中日当たりが良い斜面ですが、土地が硬くて苗を差し込む穴を掘るのに道路で使う機会が必要だったりして、これが一番大変だったようですが、その後は苗を差し込み、そこに根っこが土で囲まれるように細かい土を注ぎ入れて、更に普通の土をかぶせて終わりです。
後は水やりもなし。
根が水を探して勝手に伸びるのだそうです。

苗を植える日は私も作業服に着替えて谷に降りていきましたが、苗を植えた穴に細かい土を入れることは手伝えましたが、その後スコップで土をかぶせようと思うも土が硬くてスコップがびくともしません。
やはりこういう作業は自然に常に触れている男性に任せるべきです。
結局植えた葡萄の苗は全部で約600本。
全て個人用です。
イタリアでは勝手に葡萄を育てて販売することは法律上認められていません。
葡萄の種類はサンジョベーゼ、メルオ、カッナイヨーロ。
量ではなく質を重視し、有名なサッシカイアに負けないようなワインを作りたいとダンテは勿論男性陣は意気込んでいます。
最初の実をつけるのは3年後でしょうか。
それが見られるまで私はここに住んでいるかなぁ・・・。

夕方は「お疲れ様!」「ありがとう」と言う意味で、近くのアグリツーリズモで家族全員揃って夕食会でした。
ダンテの奢りです。
ワインはジョン・クロードが提供しました。
それにしてもイタリア人と一緒に何かをしたり、食事をしたりすると最高に楽しめます。
アグリのオーナー夫婦も加わり15名ほどがワイワイ、ガヤガヤ、食べて飲んで、ただただ楽しむ。
いろんな人が一斉に話しているので、一人でぽつんとしていても誰も気が付かないし、何も言わないので気が楽。
葡萄の話しからワインの話し、自分で作っている生ハムの作り方の自慢、更に政治にまで話が飛んでいき、話題がつきません。
それにしてもこちらの人は政治の動きをよく知っています。
会社員よりも道路監督や農場主などの方が政治について知識があり、良く討論します。
政治には全く興味のない私はさっぱり分かりません。

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急に寒くなったので我が家の飼い猫は1日中寝てばかり。
猫だけではなく私もジョン・クロードも何となく眠いモード。
やはり「春眠暁を覚えず」ですかね。

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