10月も中旬になりました。
トスカーナは秋一色です。
日がどんどん短くなり、朝夕がめっきり冷えるようになりました。
風が冷たい空気を運んできます。
ポルチーニ茸が市場に出始めました。
早くもブーツを履いている人たちがいます。
秋というと何となく寂しい感じがするものですが、こちらはというと、きらきら輝く太陽が降り注ぎ、雲のない真っ青な空がそれこそ天高く広がり、朝夕はすっかり涼しくなったものの、日中はまだ暑いくらいで、寂しい雰囲気は全くありません。
きっと、トスカーナへ遅い旅行に来ているドイツ人の旅行者達は海に出ているでしょうし、ひょっとしてまだ海に入っているかもしれません。
最初に海に入って、最後まで海に入っているのはドイツ人ですから。
毎朝、家の前の谷をウォーキングするため家を出て、まず行くのが卵を産んでくれる鶏小屋です。
野菜や果物のクズを持って行き、そして麦などの混じったえさをあげます。
数日前の事ですが、鶏小屋に近づいた時に「ハッ!」と軽いショックを受けました。
小屋の横にある柿の木の葉が炎のように真っ赤で、それが目の中にワッと飛び込んできたからです。
うわ~っ、としばし見とれてしまいました。
こんなに素晴らしい色を与える自然の力に、改めて感激してしまいました。
(サイトに載せた写真は数日後に撮ったもので、既に少々色あせています)
同じ柿でも家の前にある柿の葉は緑色で、そして形も違います。
紅葉している柿の木には実が全く付いていないのに比べ、こちらの方は実も沢山付いています。
柿の木でもいろいろ種類があるようです。
この間初めて知ったのですが、私の住んでいる町の名前は「POMARANCE」(ポマランチェ)と言いますが、その名前はPOM(昔は柿をこう呼んだらしい)とARANCE(オレンジ)から来ているのだそうです。
この町に住んで7年目にして初めて自分の住んでいる町の名前の意味を知りました。
名前の通り、この町には沢山の柿の木とオレンジの木があったのだそうです。
そういえば柿の木はあちらこちらで見かけます。
でも、オレンジの木はほとんど見ることがありません。
どうしてオレンジの木がこの町からなくなったのか、地元の人に訊いてみましたら、町が大きくなり、新しい家を造る為に木を切り倒してしまったから、だそうです。
なんともったいない。
それにしても、柿とオレンジの町、なんて可愛い名前ではありませんか。
どちらもビタミンCがたっぷりのフルーツです。
ますます私の住んでいる町が好きになりました。
柿の木を除いて、トスカーナの木々はあまり紅葉しません。
緑から少し黄色っぽくなって、そして茶色に変色したら落葉してしまいます。
紅葉が美しいのは葡萄の木です。
それぞれ葡萄の種類によって紅葉が違うようで、同じ葡萄畑の中で違った色の葉が並んでいる様は、まるでパッチワークのようです。
秋になると夏の間会えなかった友達と連絡しあうことになり、会食が増えます。
昨日は、ヴォルテッラの友達が誕生日だったと言うことで、10人ほど集まり、わいわいと昼食を楽しみました。
今週の土曜日は、別のイタリア人友達とオーガニックのレストランでインド料理を食べることになっています。
彼らの所から我が家まで1時間ほどしか離れていないのですが、なんと会うのは春以来です。
その後、私たちは23日から車検でスイスのティチーノへ車を持って行くことになっています。
私たちの車はスイスで買ったものですから、車検もスイスへ持って行かなければいけないのです。
ついでに、ジョン・クロードの誕生日が25日なので、車検が終わったらコモ湖に移動して、誕生日を祝おうということになっています。
コモ湖に別荘を買ったハリウッドの俳優、ジョージ・クルーニも呼ぼうか、なんてジョン・クロードは冗談を言っていましたっけ。
コモ湖から帰ってきたら、アイルランド人家族との再会があります。
そうそう、葡萄のジャムも作らないといけません。
10月があっという間に過ぎていきそうです。