Kiyomi D.

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新年、おめでとうございます

mariage in Japan

皆様、新年おめでとうございます。
2008年、今年もいい年でありますように。

1月4日の夜、3週間の日本訪問から無事トスカーナへ帰って参りました。
クリスマスから年末は日本移動中でしたので恒例のグリーティングカードが出せず、少しご無沙汰してしまいました。

今回の日本訪問の目的は、私の幼なじみの次女が結婚することになり、それに招待されたことですが、後半訪ねようと思っていた従兄弟が、正月までいたらいいと言ってくれ、35年ぶりの正月かぁ、と急に懐かしくなり、彼の言葉に甘えて滞在を延ばした次第です。
で、どうだったかと言いますと、35年前の正月の思い出しかない私には、今の日本の正月はあっけないというか、昔のような正月の盛り上がりをほとんど感じることなく過ぎていき、少しがっかりしたのが正直なところです。

従兄弟家族は京都寄りの大阪に住んでいるのですが、まず12月31日の普通の夕食に蕎麦が出てきて、「これ、ひょっとしたら年越し蕎麦?」と尋ねると、そうだとの答え。
私がまだ日本にいたときは(九州生まれですが)年越し蕎麦というものは12月31日夜12時、年が変わったとたんに食べたものですが、大阪が実家の従兄弟の奥さんの家ではいつも夕食に食べたのだそうです。
ここで既に「年越し蕎麦」のイメージが崩れました。

簡単な夕食がすむと、家族はみんなバラエティーショーなどTVを見ているわけですが、このバラエティーショーというものは年末でなくてもしょっちゅうTVでガヤガヤとやっているもの。
時には面白いと思うものもありますが、見ているといつもだいたい同じもので、これでもかこれでもかと繰り返されるのが少々鼻につきます。
私は年末というとやはり紅白歌合戦と思っていましたから、今出ている歌手などはほとんど知らないものの、見るのを密かに楽しみにしていたわけです。
しかし、従兄弟の家族達はもう見ないのです。
紅白歌合戦の視聴率は落ちている、とは知っていましたが、従兄弟の所のように 紅白歌合戦を見ると言う考えは 誰の頭にも微塵もないと知ると、そこに35年のギャップを大きく感じてしまいました。

31日夜12時になっても誰も気にかけなくて、「12時過ぎたよー」と私が言うと、「あっ、おめでとうー」と誰かが言って、それで終わり。
こんなお正月のために私はわざわざイタリアからやってきたのか?
やっと13時近くに、「近くのお寺さんに初詣してくるわ」と従兄弟夫婦(子供達は行かない)が出かけていき、そして5分もしないうちに帰ってきました。
私が日本の銀行で働いていたときは、31日まで仕事をして、終わるとさっと美容院へ行き髪を結ってもらい、家に帰って着物を着せてもらい家族みんなで初詣に行ったものですが(その代わり電車の中で眠くて眠くて)、もうこんな事はないのでしょうか?
それとも仕事で忙しい従兄弟の所だけが、こんなにさっぱりした年末を迎えるのでしょうか。

ブティックを経営している従兄弟は、それこそクリスマスから年末、正月にかけて全くお休みがなく、いつも疲れた顔をしていて笑顔が全く見えません。
昔は正月3が日は仕事もお店もどこもお休みだったのに、今は正月そうそう「福袋」とかいうものがあるそうで、お店もずっと開きっぱなし。
そんなに働いてどうする?と思ってしまう私です。

ただ、正月の朝だけは出勤する従兄弟に合わせてみんな早起きをし、おせち料理をつまんで、おとそを飲み、お雑煮を食べて「あけましておめでとうございます」をしました。
おせち料理のほとんどは従兄弟の奥さんの手作りでしたが、こればかりは昔の味がして、誠に美味しかったです。
これが食べられただけでもイタリアから来た甲斐があったかな、と思った瞬間でした。

町に出ても正月の雰囲気はあまり感じられず、でも買い物に群れる人、人、人。
まぁ、「十年一昔」と言いますが、35年も離れていると一昔が3倍あったことになり、事情が変わるのも当たり前でしょうか。

お正月はまあまあでしたが、一番の目的である幼なじみの娘の結婚式は華やかでしたし、それ以上に幼なじみに再会できたことが最大の喜びでした。
そして彼女のお姉さんにも35年以上ぶりに会えたのは大変な驚きと、そして幸せでした。
その上、幼なじみの娘夫婦と彼女の旦那から2泊3日の温泉行き(湯西川温泉http://www.bankyu.co.jp) をプレゼントしてもらい、幼なじみと彼女のお姉さん3人で、昔に戻ったようにワイワイとおしゃべりに花を咲かせて、雪の中、懐かしく数日を過ごすことができました。
今回の旅行で一番のサプライズでした。

ただ、宇都宮の幼なじみの所から東京へ移動する前日に風邪を引いてしまったのは不覚でした。
新幹線の中で駅弁を食べようと楽しみにしていたのに出来なくて残念。
東京でお会いして夕食をご一緒しようと約束していた方にはキャンセルでご迷惑をかけてしまうし、その後も1週間ほどは頭も身体もぼーっとして過ごしてしまいました。
旅行中の病気は辛いものです。

それにしても、セントラルヒーティングシステムのない日本の家は寒いですね。
まぁ、全部のお家がそうだとは限らないでしょうが。
家族が集まるリビングは暖かくても、トイレに行こうと廊下に出ると寒い。
朝起きて洗面所に行っても寒い。
風呂に入れと言われてお風呂場に行くと、あまりの寒さに洋服を脱ぎながら「ブルルル~~~」と震える。
一番風呂だと、お風呂場に入ったとたんに床のタイルが冷たくて身体が固まる。
セントラルヒーティングで家全体が暖かいのに慣れてしまった私には、少々辛いところがありました。

トスカーナも年末前後は日中気温2~3度という寒い日があったようですが、私が帰ってきてからは少し雨模様ではありますが、日中気温15度前後ととてもマイルドな日が続いています。
そして家の中の温度は25~6度。
Tシャツ一枚に半ズボンという格好。
あ~~、やっぱりトスカーナはいいです。
家の窓から見えるのはトスカーナの自然ばかり。
きこえるのは鳥の声だけ。
石造りの町に入ると、聞こえるイタリア語が耳に心地いい。
ホッとします。

イタリアへ帰る2日前、スイスの会社で一緒にお仕事をしていた日本女性が従兄弟の家からそんなに遠くないところに住んでいることが分かり、10年ぶりにお会いすることができました。
人生、本当に面白いものです。

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