Kiyomi D.

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葡萄の収穫

vendemia

毎日が、日めくり暦をめくるようにひらひらと飛んでいきます。
そして今日はもう10月も7日。
本当に日があっという間に過ぎていきます。

トスカーナは例年になく寒い秋で始まりましたが、ここ1週間ほど、ぽかぽかと穏やかな気候が続いています。
ただ朝夕は秋らしくめっきりと寒くなりました。
幸いなことに、地熱発電所のお湯を利用した暖房が15日も早く我が町にも入りましたので、私はぬくぬくと笑顔で過ごしております。

さて、10月というと、こちらトスカーナは葡萄の収穫時期。
早いところでは9月末には収穫を始めたところもありますが、今、車で郊外を走ると、あちらこちらで収穫に出会います。
大家の従兄弟セルジョもこの土曜日の良いお天気の中、親戚一同が集まり、せっせと葡萄の収穫を始めました。
毎年お手伝いに行っているジョンークロードも、昼食後、はさみを腰に挟んで谷に降りていきました。
太陽の中で作業をしていると暑いくらいです。
今年の葡萄は豊作だったようで、幹には沢山の葡萄が実っていました。

有名な、と言うか美味しいワインを作るワイナリーでは、栄養が集中するように、一つの幹に葡萄を数房だけ残して、後は全部切り落としてしまいますが、セルジョが作るワインは全て自分用の卓上ワインですから、もう質より量です。

葡萄の幹は植えてから3年ほどで実の収穫があります。
でも美味しいワインが出来るのはそれから更に数年経ってから。
セルジョのブドウ収穫は今年で5年目になりますから、少しずつ美味しくはなっているはずですが、とにかく質より量を考える人ですから、お味の方はもう一つと言ったところのようです(ジョン・クロードの言葉)。
それでも彼の小さな葡萄畑から1000リットルほどのワインが採れるようですから、彼が飲む1年分のワインには十分と言ったところでしょう。

個人といえども、ワインを作るにはそれなりの装置が必要で、谷にある彼の農家の地下には小規模ながらちゃんとした器具が揃っています。
最初から最後の瓶詰め、そしてコルクで蓋をするところまで全て自分の手でする自家製ワイン。
味はどうであれ、愛着が湧くことでしょう。

秋始めには適当に雨も降りましたので、秋の味覚であるポルチーニ茸とトリフュの収穫も今年は多いことと思います。

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