オリーブオイルの収穫
こちらイタリアは25日の土曜日の夜、冬時間に入りました。
1時間元に戻ります。
今まで3時だったところが、2時になるわけです。
1時間長く寝られました。
それは良いのですが、夕方、早くから暗くなります。
今は5時半で外は真っ黒。
これから何ヶ月か、長い夜が続きます。
さて、大家さんちのオリーブの収穫が始まりました。
寒くなるのを待って、なんて言っていましたがいっこうに寒くならず、早く収穫しないと雨が降ると実が落ちてしまうと言うことで、先週の水曜日からスタートしました。
大家家族は今5人ですが、その全員が仕事や学校で普段ほとんど家にいないため、オリーブの木は彼の従兄弟夫婦が管理をしています。
木の周りの草を刈ったり、土地を耕したり、枝切りをしたり。
彼は動物にたとえると熊さんみたいで、力強くて、自然のことをよく知っていて、そして働き者です。
でも、約500本(その内200本はまだ小さいのですが)のオリーブの収穫を従兄弟夫婦二人だけでやるのは大変です。
私たちも午後からお手伝いをしていますが、今年は実が沢山なり、なかなか作業が進みません。
オリーブの実は枝をしごきながら下に敷いたネットの上に落としていきますが、今年は従兄弟夫婦がオレンジの熊手のような物を手渡してくれました。
枝を傷つけるのではないかしらとあまり使う気持ちはしなかったのですが、細い枝に連なった実をこれでしごいてみるとざくざくと簡単に落ちるのにはびっくり。
ちょうど髪の毛を梳くような感じです。
うまく考えた物です。
それでも、中の方に絡まった枝は、熊手が使えませんのでやはり手でしごくしかありません。
私は日本の軍手(まだありますか、この綿の手袋?)のような物をしてしごきますが、従兄弟夫婦や他の人たちは素手です。
こちらの人たちは本当に強い。
私が素手で枝をしごいたりしたら、たちまち皮がむけてしまって、しばらくは収穫のお手伝いが出来なくなること間違いありません。
昨日の月曜日も従兄弟夫婦と私達二人で収穫をしましたが、今日は残念なことに朝から雨が降り始めました。
天気予報によると今週中ずっと雨とのこと。
雨が降ると(露が出ているだけでも)収穫が出来ません。
その間、沢山の実が落ちてしまわないかと心配です。
それでも、昨日までの収穫が約600kgあり、それを今週の木曜日にフラントイオ(オイルを絞る場所で、町に必ず1件あり、オリーブの木を持っている人は予約をすれば使え、持って行くオリーブの実の重さで使用料金を支払います)へ持って行くそうで、木曜日の夕方には新しいオリーブオイルが味見できそうです。
でも、収穫はまだまだ終わっていません。
まだ半分も終わっていない状態です。
全部の収穫が終わると、大家や従兄弟の予想ですが、全部で200リットルは採れるのではないかとのことです。 大収穫です。
去年全く採れなかったので、今年は万々歳。
今まで大家のオリーブオイルは酸性が少なく、そして完全なオーガニックで、とても良い品質だと県から評価をもらっています。
きっと今年も同じ評価をもらえることでしょう。
前回の日記に、郊外(田舎)には自然な恵みが沢山ありますと書きましたが、ジャムに出来る葡萄とかクルミの実、以外にもまだ沢山ありました。
例えば月桂樹の葉。
私の住んでいるところでは、家の周りを囲む垣根が全て月桂樹で作られています。
どうして月桂樹なのか、その辺りは分かりませんが、どのお家も月桂樹を使っているのです。
勿論、料理に使える月桂樹の葉ですから、1年に1回垣根をキレイな形に刈り上げた時に出る小枝を私は拾って、乾燥させ、瓶に詰めて料理に使っています。
大家の奥さんは、そんなことをしなくても、必要なときにちょっと外に出て葉を摘めばいい、なんて言っています。
その通り。
垣根を刈り上げたときには、それはいい匂いがします。
月桂樹の葉って、こんなにいい匂いがするのかと、こちらで始めて知りました。
それから日本でも沢山使われているローズマリンの木。
これも谷に降りていく道の横に沢山植わっています。
料理の度にそこまで行くのが面倒なので、私は乾燥させて保存していますが、それこそ必要なときにちょっとつまんでこられる物です。
後は、サルビアの葉、タイムの葉もどこの家にも植わっています。
谷に行けば、料理に使える雑草が一杯。
ほとんどの雑草に苦みがある中、私はビエトレ(英語でチャード)という、日本にはないかもしれませんが、ほうれん草よりもあくが少なく柔らかい葉を摘んできます。
料理方法はほうれん草と同じ。
マーケットでもちゃんと売られている野菜ですが、こうして野原に自然に咲いているなんて、トスカーナに来るまで考えもしませんでした。
そうそう、ポルチーニ茸やトリフュもありました。
でも、これはプロの人でしか見つけることはできないでしょう。
トスカーナ州はイタリアの中でも料理にハーブを 沢山使うことで知られています。
トスカーナの料理とワインはイタリアの中でも一番美味しいと、イタリア内でも評判ですが、きっとこういうところにあるのかもしれません。