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Auguri!(アウグーリ、おめでとうございます)

auguri

新年明けましておめでとうございます。

みなさまはどんなお正月を過ごされたでしょうか。
日本はいいお天気が続いたとネット上で知りました。
神社は初詣での客で大変賑わったとか。
私は去年の今頃、日本で35年ぶりのお正月を過ごしたのですが、初詣に行かなかったことだけが少し心残りです。

さて、こちらトスカーナでの私の年末はと言いますと、ジョン・クロードがインドへ行っているため、まぁ、いても同じようなものですが、特別なことをするわけでもなく、一人静かに過ごしました。
25日と31日の昼食は大家のおばあちゃんのところで大家家族と一緒にいただき、と言っても大家のダンテは南アメリカに旅行中、奥さんはクックなのでレストランでお仕事、長女もこの日は特別に1日中バールでお仕事でしたので、一緒に食事をしたのは長女の旦那とその娘エミリー、大学生の次女、そして私とおばあちゃんだけ。
大学生の次女はダイエット中なのでパスタは食べない、肉も食べない、私はベジタリアン、長女の娘エミリーも大変な偏食娘で、料理を作るおばあちゃんは「何が何だか分かんないよ」と愚痴っていました。
それでも沢山の野菜を中心に、クリスマスは肉、年末は魚をセコンドとして、美味しい食事を作ってくれました。

クリスマスの日に食べるお菓子「パンドーロ」もちゃんと用意してくれていました。
実はこれは私からの注文だったのです。
「パンドーロ」というのは30cm程の高さがあるスポンジケーキよりももっとフワフワしたお菓子で、それと良く似たものに「パネトーネ」というのがあり、それには小さく刻んだ乾燥果物が入っています。
私はこの乾燥果物が駄目なのです。
色が毒々しいというか、噛んでもねちゃねちゃするし、だいたい本物の果物を使っているのか?とさえ思ってしまいます。
なので、おばあちゃんには「私は「パンドーロ」が大好き!」と前もって言っておいたのです。
要領のいいおばあちゃんは、私のために「パンドーロ」を買い、長女や次女のためにチョコレートがかかった「パネトーネ」を用意してくれていました。

年末、日本ではおせち料理やお餅を食べますが、さて、イタリアでは何を食べるか。
こちらで年末に食べるものというと、葡萄とレンズ豆です。
なんだかとっても質素なのですが、この二つを食べるとこの1年お金に困らない、と言われているそうです。
葡萄はそのまま生で食べます。

葡萄というと、スペインでも年末に食べる事を思い出しました。
もう随分前になりますが、私が3年住んでいたところでは、31日の夜中近くになるとみんな葡萄を持って町の広場に集まっていきました。
ワイワイガヤガヤと楽しく夜中になるのを待ち、夜中の10秒前、10,9,8,7,・・とカウントダウンをして、夜中になって教会の鐘が大きく鳴り響くと、みんな一斉に葡萄を食べ始めるのです。
自分の年の数だけ葡萄を食べると、その1年間健康でいられる、お金に困らない、などいいことがあるというのですが、教会の鐘はそんなに長い時間なっていませんから、その間に沢山の葡萄を食べるのは大変なことです。
子供はいいのですが、40,50,60歳になった大人達は口に葡萄を押し込んだり、笑ってはき出したりで、もう大変な騒ぎでした。

話がそれましたが、さてイタリアの年末、又は正月に食べるのがレンズ豆。
ソーセージと一緒に煮込んだり、又肉の副菜として食べます。
レストランにも必ずあるのですが、どうしてか大家のおばあちゃんは作りません(?)

さぁ、私の31日の夜。
何を食べたかと言いますと(食べる話ばかりですが)、ひよこ豆と野菜のスープを前日作っておいたので、それを温めて食べ、そして、やはり年末ですから、ジョン・クロードがわたし用にと買ってくれていたワインをグラスに一杯飲みました(それ以上は体質上飲めない)。
わたし用にと言うのは、アルコール度数が12.5度と少ないからです。
今のワインは最低13度、良く出ているものは13,5度から14度ありますから、アルコール度数の強いワインが流行りのようです。
わたし用のワインはアルコール度数が少なくて、更にワインのこくが口の中から喉にかけて通り抜けるという、ワインの町ボルゲリにあるエノテカからわざわざ買ってきたジョン・クロード選択のワインです。

食事も終わり、出来ることならTVで紅白歌合戦を見たいところですが、それは夢の又夢で、イタリアのどんちゃん騒ぎは観る気もしなくて、録画していたコミック映画や1950年代くらいのアメリカの映画を見ていたのですが、なんだかコンコンという音が聞こえてきました。
どこから聞こえてくるのかと、TVの音を消し、そ~とキッチンに行ってみると、その音がハッキリしてくるのです。
下の大家さんちには誰もいないし、なんだ、泥棒か?と思いながら、キッチンドアの外側にある鎧戸のブラインドを少しずらして外を見てみると、あーーーっ、花火~~~!
あちらこちらで色とりどりの花火がぽんぽん上がっていました。
なんだ~、この音だったのか~。
えっ?と言うことは年を越したと言うこと?と時計を見てみると正に12時2分。
わーっ、あけましておめでとう、と一人で口に出して言ってしまいました。
それじゃあお祝いでしょう、と言うことで、もう一杯ワインを頂いたのでした。

1月1日にはお知り合いの方がお土産にくださったお赤飯がありましたので、これを食べようと楽しみで、夕方になるのが待ち遠しいくらいでした。
夕方6時過ぎ、やっと期待のお赤飯を炊きました。
餅米、赤飯用の赤い豆、そして汁がパックになったもので、そこに水を少し足して普通に電気釜で炊きます。
大変に美味しかったです。
こんなに簡単に炊けて、こんなに美味しいとは、日本の食文化、とても進んでいるなと改めて感心しました。
一緒に食べたのは、菜の花に似た青菜を茹でたものとポーチドエッグのマスタードと白味噌ソースかけ、フェンネルと芽キャベツ、人参のブイヨン煮、そして白菜と白ネギ、ワカメのお味噌汁。
フェンネルと芽キャベツはジョン・クロードが嫌いなため、今まで食卓に上らなかったものですが、私は野菜全部が好きなので、今回早速買ってみました。
ただ単にブイヨンで煮ただけですが(少し黒砂糖も入れました)、もうそれは、それは美味しかったです。
考えただけで、又食べたくなります。私のおせち料理でした。

さぁ、今日はもう1月2日。
2009年が始まりました。
去年末から、景気は悪い、経済は悪化、就職難とか、暗いニュースばかりが飛び交いましたが、意外に個人の家庭ではいいこともあったという年だったと思います。
テレビや新聞などマスコミ関係ではどうも国民を暗い気持ちにさせようと、しっかりと調査もせずに「悪化」「不景気」、そう言ったニュースばかりを流している、というようなプログを見かけました。
そうかもしれないなぁ、と私も思います。
私もテレビ、新聞の言うことは半分しか信用していません。
どうしてか分かりませんが、マスコミは国民をこういう方向に持って行こうとマニュポレイトしているところがあるように思います。

ということで、今年は更に自分の目と勘を信じて、この1年頑張りたいと思います。

auguri

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