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3月3日はひな祭り。なんて素敵な響きなのでしょう。
春そのものです。
日本では梅も咲き、早いところでは桜の花も咲き始めたところがあるとか。
3月と言えば春の季節です。

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ところが、トスカーナはまだ冬を引きずっているようです。
3月に入って又雨が降り始めました。
小ぬか雨、といいますか、絹のような細い雨がしとしとと降っています。
でも、私はこの小ぬか雨が好きですね。
風もなく、 天から雨が垂直に降ってくる。
細い雨ですが、じっと聞いていると、その雨が金属や地面に優しく当たって響く音が静かなオーケストラのようで、とても懐かしいのです。

今日もキッチンでアップルムース(リンゴソース)を作るために3kgのリンゴの皮をむき、芯を取ってスライスにしていたら、小ぬか雨の音がシンフォニーのように聞こえてきて、しばしボーッとガラスドアの外を眺めてしまいました。
非常に懐かしい音。
私が小さい頃に家で家族と一緒に居るときに聞いた音でしょうか、聞いているだけで心が温かくなり、スーッとリラックスしてしまいます。
朝から素敵なBGMです。

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私と相棒のジョン・クロードは25年以上のベジタリアンです。
その間、2000年にトスカーナへ来て数年後に、ジョン・クロードがワインのソムリエの資格を取ると言いだし、肉にあうワインは分かりませんとは言えないので、2~3年ほどレストランに行ったときに限り肉や魚を食べていましたが、それも数年前に終わりにし、再度ベジタリアンに戻りました。
ベジタリアンですから、食事は野菜中心ですが、卵もミルク製品も砂糖も食べます。
と言うか、食べていました。
でも、5ヶ月ほど前にある健康に関する記事を読んで、私たちの食事生活がちょっと変わったのです。

まず、ミルク製品は食べなくなりました。
イタリア名物のパルメジャーノチーズ、モッツアレッラ等も食べません。
ジェラートも豆乳で作ったものを探しています。
羊の乳で作ったトスカーナ名産、ペッコリーノチーズは食べます。
とにかく、牛のミルク製品は食べないようにしたのです。
ヨーグルトは大好きなので、豆乳を使ったヨーグルトを手作りしています。
それから、パスタ、ピッツア、パン等、麦製品の摂取もなるべく減らすようにしています。
パンは時々、大豆の粉を混ぜて小さなものを作りますが、それでも残ってしまいます。
米も出来るだけ玄米を食べていますが、日本のお米だけは時々大事に、おいしく頂いています。

その代わり食卓に上るようになったものが、ひよこ豆、レンズ豆等の豆類、穀物、そしてキノア。
25年以上もベジタリアンをしていて、キノアに出会ったのがここ数ヶ月とは、ちょっと悲しいことですが、でも、今は頻繁に食卓に上っています。

キノアとはなんぞや。あるサイトに説明が載っていましたので、引用させていただきます。
キヌア(キノア)とは、ペルー、ボリビア、エクアドル、チリ北部の標高2500~4000mのアンデス山系で栽培されているホウレンソウの仲間の一年草です。注目されているのがその栄養価です。たんぱく質、微量栄養素、食物繊維を豊富に含み、NASAも宇宙食候補として検討しているそうです。
カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄どれをとっても郡を抜いています。しかも主食系とは思えないたんぱく質の含有量です。アミノ酸スコアも白米の65、大豆の72に対し85です。
グルテンを含まないので、小麦アレルギーの人でも摂取できる、となっています。

料理の仕方も簡単。
大事なことは料理をする前に良く水洗いをすること。
健康食品店で購入できますが、パッケージにも5分間水洗いをすることと書いています。
コレステロール値を下げる効果がある一方、赤血球を破壊する性質があるサポニンを含んでいるので、十分な水洗いと加熱が必要とのことです。
私は良く洗ったキノアを一晩水につけておきます。そして次の日にブイヨンで炊くと、プチプチとした食感のあるご飯のようなものが出来上がります。
今回はそのキノアを使った一皿の写真を載せています。ちょっと柔らかく炊きすぎて、プチプチガ良く見えませんが、口に入れると正にプチプチ。
料理をしていると少し特別な匂い(悪いにおいではありません)がしますので、ジョン・クロードがキッチンに入ってくると「今日はキノア?」と直ぐに当てます。

とにかく、キノアさえ食べていればおかずはほとんどいらない感じですが、わが家ではそれにいろんな野菜、 私たちが飼っている鶏が産む卵、そして豆腐を合わせて食べています。
以前は遠い町まで買いに行った真空パックしている豆腐が、やっと我が町の小さなスーパーでも買えるようになりました。
でも、こんな田舎で私意外に誰か買う人いるのかな?とちょっと心配ですが。

一緒に載せたガラスに入っているグリーン植物の写真。
これはアルファルファといい、ビタミンCやカリウム、植物繊維が含まれていて、キッチンで簡単に栽培できる、もやしのようなものです。
これはもうスイスに住んでいるときから食べていましたので、随分長いお付き合いですが、トスカーナで見つけたのはほんの数ヶ月前。
1週間ほどで食べられるようになり、出来上がれば直ぐに次の種を入れて栽培しますので、わが家のキッチンにはいつもこのガラスが置いてあります。

これ以外にも、出来る限りオーガニック製品を買うようにしています。
乾燥フルーツ(イチジク、プラム、アプリコット、干しぶどう等)やナッツ類(ピーナツ、クルミ)、バナナやリンゴなどの果物、野菜等々。
この頃トスカーナのスーパーマーケットにもオーガニックの野菜や果物が出るようになり、嬉しいことです。

ミルク製品と麦製品を食べなくなってから私もジョン・クロードもお腹が張ることがなくなり、それと共にガスもほとんどでなくなりました。至極、爽快です。
時々、いろんなサイトを除いてみるのも悪くないものです。