ホーム     トスカーナ日記     プロファイル


新オリーブオイルを楽しむ会

olio d'oliva

11月に入ったなと思っていたら、どんどん日が経ち、ハッと気がつくともうほとんど中旬ではないですか。
ほんっとに時間が経つのは早い。

今、トスカーナは秋真っ盛り。
木々もトスカーナにしては色とりどりに色づき、遠くに見える森が正に絵のようです。
反対に、紅葉していた葡萄の葉はほとんど落ちてしまい、ちょっぴり寂しい様子。

そんな中、オリーブの収穫があちらこちらで始まり、大家さんちのオリーブの収穫もつい数日前終わりました。
収穫に備えていた週がちょうど雨模様になり、オリーブの木が濡れていると収穫には良くないらしくて、その間をぬっての収穫でした。
天気予報では毎日雨ということでしたが、ここがトスカーナのいいところ。1日置きくらいに太陽が出てくれて、無事に収穫を終わることが出来ました。
去年からオリーブの実を採る機械(チャチャチャやマンボ、ツイスト等の名前が付いた指先のようなもの)を使うようになり、そのお陰で収穫が楽で、随分早く終わるようになりました。

聞くところによると、大家さんちの今年のオイルの収穫量は去年に比べると120リットル程少ないそうです。
まぁ、良い収穫の年というのは2年ごとにやってくるらしいですから、去年がとても良かったので、今年はこんなものだろう、と大家さん達は言っています。
大家さんちのオリーブオイルは家族のために作っているものですから、殺虫剤などは使用しない、全くのオーガニックです。
その為、2年前でしたか、虫の当来があり、収穫がゼロだった年もあります。
それに比べると、今年はよい収穫だったと言えるでしょう。

今年のオイルの品質ですが、去年よりも更にいいと言う結果が出ました。
去年のオイルも高品質の証明をもらったのに、それを上回る品質なのですから、 大家さんは鼻高々。
オイルの味ですが、それはもう言い尽くせないくらい、美味しいです。
絞り立てのオリーブオイルは、時にグリーンっぽく、苦みがあるというか、喉にチクッと来るものがあり、それが好きという人もいますが、やはりアグレッシブな所があるわけです。
それが、今年の大家さんちのオイルにはない。
最初から、まろや~か、なのです。

ということで、昨晩、新しいオリーブオイルのお祝いと称して、大家さんちの家族と、その従兄弟家族が一緒になって、新しいオリーブオイルをみんなで楽しむ食事会が行われました。
私とジョン・クロードも参加しました。
こういう食事会というと、大家さんの従兄弟が持っている郊外の谷の家が使われます。
従兄弟家族の野菜畑や葡萄畑の真ん中に立っている家で、寝室こそありませんが、大きな部屋のコーナーに流し、冷蔵庫、ガス台、その横には大きな暖炉があり、2つの壁にはそれぞれ食器タンスが立ち、わたしの家よりも数の多い食器や鍋類が揃っています。
部屋の真ん中には総勢30人は座れるかと思われる大きなテーブルがドンと置かれていて、何人でもかかってこいという感じ。
イスは、何しろ郊外の家ですから、あちらこちらからかき集めたものだったり、長いベンチだったりしますが、それで十分。
更に、この家にはちゃんとトイレとシャワー室も設けてあるのです。
これら全て、従兄弟が自分の手で造り上げたのですから驚きます。

昨晩の食事会はオリーブオイルが主役ですから、肉を省いた品々が出ました。
まず、クロスティーニ。
パンを5cm四角くらいに切り、それを部屋のコーナーにある暖炉の火でトーストします。
もうそこからいい匂いが漂います。
一番シンプルなオリーブオイルの食べ方は、トーストしたパンにガーリックの塊をこすりつけ、そこにオイルを垂らして食べる方法ですが、昨晩はレストランでクックをしている大家さんちの奥さんがトッピングをいろいろ作ってきてくれました。
トマトとバシリコの刻んだもの、茸の炒めたもの、ピーマンとドライトマトそしてオニオンをみじん切りにして混ぜたもの、レバー、鹿肉のベースト等。
それから次に、トウモロコシの粉で作るポレンタも用意されていました。
外では、大きな火をおこし、そこで栗を焼き、バッカラ(塩漬けの鱈のような魚で、4~5日間、毎日4~5回水を換えながら塩抜きをしてから料理をする)を焼いています。

さ~て、準備万端。
みんなテーブルについてー!
先ずは出来たてほやほやのポレンタをスプーンですくってお皿に入れ、たっぷりの新オリーブオイルを垂らして食べます。
オイルの色がエメラルド色で綺麗。
パルメジャーノチーズをかけても美味しいけれど、オリーブオイルを楽しむには、やはりオイルだけをかけた方がいい。
大家さんの皿をひょっと見ると、ポレンタがオリーブオイルのプールに浮かんでいるようです。
こちらの人はオイルを本当に沢山かけて食べます。
ポレンタを一通り食べたら、次はトーストを取り、そこにトマトや茸、レバーなど好きなものを置いて、更にその上にオリーブオイルを垂らして食べます。
もう、オイシイ・・。
それから先ほど火で焼いた干し魚の白身もオリーブオイルを垂らして味見。
そうして、最後に焼き栗をデザート変わりに食べて、終わりー。
簡単で素朴な食べ物でしたが、みんなで一緒に食べると又それがたまらなく美味しくて、食が進みます。
キリッと寒い夜でしたが、暖炉の火と同じようにみんなの心が温かくて、ほっこり幸せな、新オリーブオイルを楽しむ会は更けていきました。
ごちそうさまでした。そして、みんなご苦労様でしたー。

olio d'oliva

olio d'oliva

olio d'oliva

olio d'oliva

olio d'oliva

olio d'oliva

olio d'oliva

olio d'oliva