シエナ
シエナはトスカーナ州では2番目に大きな、世界遺産に指定された街です。
赤い煉瓦で造られた建物がカンポ広場を中心に星のように外へ広がり,その間をくねるように伸びる石畳,行き止まりの薄暗い中庭,迷路のような細い路地と小広場等が、中世期にタイムスリップしたように佇んでいます。
シエナは石造りの建物が多いトスカーナの街なのかで、唯一赤い煉瓦の街なのです。
赤い煉瓦が長い歴史の中で少しずつ変色し、街全体が絵画のような煉瓦色の濃淡を見せ、芸術家と建築家が、一生に一度は訪れてみたいと夢見る街だそうです。
先ずびっくりさせられるのがカンポ広場の広さです。谷の傾斜に沿って,ヘリボーンスタイルに敷かれたレンガ舗装の広場が中央部に向かって扇のような形をしています。この形が貝殻のようだとも言われます。
広場の一番低いところと一番高いところの差は8メートル。
そして9人の執政官で構成されていた政府を象徴して,白い石を並べて作った線で9つの面を描いています。
この広場はハイシーズンになると数多くの旅行者で埋まります。
広場の小高くなったところにあるのが1409年から10年かけて作られたガイアの泉です。
ガイヤとは歓喜という意味で、この泉が作られて、人々は簡単に水を家庭に運ぶことが出来るようになったと喜んだところからこの名前が付いたようです。
泉の正面にはゴシック形式とルネッサンス形式を取り入れた13の彫刻が飾られています(現在の彫刻は複製)。
泉があるとついコインを入れたくなりますが、この泉にも旅行者達が、又訪れることが出来ますようにとコインを投げ入れています。
広場にはプブリコ宮殿とマンジャの塔が建っています。
1288年から22年かかって作られたゴシック建築の宮殿はトスカーナ地方で最も華麗な物の一つです。
この内部には市立美術館があり、大変興味深いフレスコ画が沢山保存されています。
既に600年から700年もたっているのにその保存状態の良さには驚きです。
その横に立つのが1338年に作られた102メートルあるマンジャの塔です。
マンジャとはイタリア語でマンジャーレ=食べる、という意味で、この塔に毎日登って敵などを見張っていた一人に「マンジャ・クワダーニ」、収益を食べ尽くすという意味になりますか、そういうあだ名が付いていたそうで、未だにその名前で呼ばれています。
この塔は400階段があり、一番上まで登ることが出来ます。
30人ずつ登るように規制されているため、ハイシーズン時は入り口に長い行列が出来ます。
一番良い時間帯は、みんなが食事をしている時間、12時半から1時半くらいの間が、あまり待つこともなく登ることが出来ます。
塔の上から眺めるシエナ周辺のトスカーナ田園風景は又素晴らしいです。
シエナでもう一つ是非見ておきたいのが、大聖堂です。
シエナの街の一番小高いところにその大聖堂はあり、赤い瓦の街並みの中に唯一白い大理石で作られた建物で、蒼い空が出ているときにはそのコントラストが写真家にはたまりません。
この大聖堂は多くの建築家によって約180年の年月をかけて作られたももので,ロマネスク様式と盛期ゴシック様式が同居した美しい建築物です。
外部も勿論ですが,大聖堂の中にある190年かかって作られた象眼細工の床絵も又素晴らしく、
いつもはベニヤ板で囲われているものが、毎年9月になると一般公開されますので、もしその時期にシエナへ行かれた方は、是非ご覧になってください。