火事寸前
先週の週末からヒートウエーブがやって来たトスカーナ。毎日35度の暑い日が続きました。
急に暑くなったので私たちはもちろん、家の犬や猫達もダウン気味。
あまりに暑いので私たちは海に繰り出しました。
それが先週の火曜日。1日中海で過ごそうと、私はパスタサラダとフルーツサラダを用意し、朝8時に家を出たのです。
到着した海の家は、旅行者もまだ少なくてのんびりしており、お天気はいいし海は静かで最高の海日和でした。
私たちは長いビーチを歩き、日光浴をし、そして今年最初の水泳もし、ああ、海はやっぱりいいなぁ、と楽しんでおりました。
12時半になり、用意して来たパスタサラダで昼食をし終わったところに、大家さんのダニエラから電話が入りました。
彼女がTVを観ようと思ったら電源が入っていなかったと。
どうした訳か、階下にある彼女のTVの電源は我が家の電源につながっていて、我が家が電源を切ると彼女はTVが見られないのです。
電源は切って出てこなかったよ、と私たちは答えて電話を切ったのですが、それから数分後に又ダニエラから電話があり、
「あなた達の家が火事になりかかってる!!」
と大変なニュースを聞かされました。
もう海どころではありません。私たちは水着の上に服をはおって、一目散に家を目指しました。
約40分で家に到着し、家の中に入ってみると、どの部屋にも煙の臭いが充満していてびっくり。
原因はキッチンにあるボイラーでした。この家が建った時からあるボイラーで、私たちは引っ越して来た時に新しいキッチンを入れたものの、ボイラーはそのまま古いものを使っていたのです。
ダニエラがおかしいなと思って我が家を覗いてくれた時は、家の中が煙で何も見えない状態だったそうです。
びっくりして直ぐに消防車を呼ぼうかと思ったそうですが、火が出ていないので止めたとか。
私たちがキッチンに入ってみると、ボイラーが半分燃えて溶けており、周りの壁やボイラーが入っていたキッチンドアも上部が真っ黒。水が床を濡らして買ったばかりのカーペットがベチャベチャでした。
それでも火事にならなくて本当に良かったとホッとした私たちです。
それから私とジョン・クロードは家の掃除に取りかかりました。とにかく燃えたものを出さないと臭いがすごいですから、ボイラーや真っ黒になったキッチンの一部を取り外し、後はひたすらすすで真っ黒になった家中を洗いまくりました。二人とも水着を着たままで。
夜9時近くまで掃除をして、その日はほとんど何も食べずにシャワーを浴びて就寝。
翌日の水曜日はずーっと掃除。夕食はピッツア屋に行きピッツア。
木曜日はキッチンの壁を新しく塗り替えるペンキを買いにピサにある大型ショッピングセンターにいき、午後からペンキ塗り。
その間に私は玄関に吊っていた冬物のコート10着近くを洗濯。煙の臭いはそれほどしませんでしたが、すすがついている可能性が大なので。
金曜日も掃除。煙は木につきやすいようで、ドアやドア枠、窓など、木で出来ているものをスポンジと酢入りの水でゴシゴシ。
その日の夕方、我が家の猫が声をからしているのを発見。時間が遅過ぎて獣医には連れて行けず。
土曜日はオーガニックの食品を買いに行く日なので、早朝に出かけて買い物を済ませ、帰宅したのが11時頃。直ぐに猫を獣医に連れて行くと、猫風邪だと言われて抗生物質の注射を一本してくれました。
それから午後は又掃除。なにしろ家中の掃除ですから、大変。
キッチンはまだ少し煙の臭いがしますが、他の部屋はほとんど臭わなくなりました。
それでも、まだまだ掃除は残っています。キッチンの天井のペンキ塗りもまだ終わっていません。今週で全て済ませる予定ですが、いや~、疲れた1週間でした。
2日前に雨が降り始め、急に涼しくなったトスカーナ。 ここ数日は涼しいようですから、掃除も楽です。頑張ります。
キッチンの焼けた部分。上部の真ん中にボイラーがついていました。
焼けて半分溶けたボイラー
暑い中、大汗をかきながらペンキ塗りに精を出しているジョン・クロード。右端が焼けたキッチン部分。
彼の後ろの壁が、今までの壁の色。
焼けたキッチン戸棚を取り除いた壁のペンキ塗り終了。新しい戸棚とボイラーは今週届く予定。
以前はパステルイエローだった壁が、今ははっきりしたイエローに塗り変わりました。