イタリアンな美容師
今日は3月8日。イタリアでは女性の日です。
男性が恋人や奥さんに花を贈る日なので、街の通りではミモザの小さな小枝や花のブーケ、緑の植木鉢などが売られています。通りを歩く人たちはまだ冬のコートで防寒していますが、この風景を見ると春を感じます。
そして、トスカーナのお天気も急に春らしくなりました。日中、太陽がカッと照ると温度は18度まで上がります。私の住む郊外はまだですが、海際の街では、既に木々が若葉をつけはじめ、すっかり春らしくなっています。もう少しすると、緑一杯の風景になるでしょう。
天気予報によると、ここしばらくは晴天が続くようです。やっと太陽が出て来てくれました。
なにしろ1月から雨が降り続けていますから、私たちもそうですが、平野が大変なのです。冬に蒔いていた麦の種がいま芽を吹き始めていますが、大雨の為に平野のあちらこちらに池のような水たまりが出来てしまい、麦の収穫は激減するだろうと農家の人は頭を抱えています。
歴史ある遺跡も雨のお陰で被害を被っています。ポンペイ遺跡の3カ所が崩れたことは、日本でもニュースになっているかと思いますが、私の隣町ヴォルテッラにあるエトルリアの壁も崩れ始めました。
3000年の歴史ある壁が今崩れはじめて、ヴォルテッラの市民はみんな動揺しています。1ヶ月前には、住宅になっている建物の前の壁が30mにも渡って急に崩れ、玄関先は20cmほどの道路を残して絶壁になってしまったところがあります。建物に住んでいる人たちはどうやって外に出るのでしょうか。
そして、先週はヴォルテッラの玄関先にあるエトルリアの遺跡兼公園の大きな壁が崩れ落ちました。
その真下には地下の駐車場があり、旅行シーズンには沢山の車が行き交うところです。市民の足である大型バスも駐車するところですが、今は通行禁止になっています。沢山の旅行者がやってくる時期までに開通するのかどうか、心配です。早く立ち直ってくれるといいのですが。
さて、タイトルのお話です。
私は2ヶ月に1度の割合で美容院に行きます。今住んでいる小さな街にやって来た当時は、友達のお姉さんが経営していると言う美容院に通っていました。オーナーである彼女のヘアースタイルは爆発したようで、私は「魔法使いのようだ」とトスカーナ日記に書いたことがありますが、そこに数年通った後、私は街にある4件ほどの美容院を全て渡り歩きました。
渡り歩いた理由は、技術もそうですが、おしゃべりが少なくて作業に集中しているところを見つけたかったからです。田舎街にある美容院だからでしょうか、こちらの美容師達はとにかく客達とのおしゃべりが大好き。あまりにおしゃべりに夢中になり、作業の手が停まってしまうのです。それでなくても、2時間や3時間は美容院に入っている私は(どうしてこんなに長時間かかるのか理解出来ないのですが)、「手を休めないで作業をしてー」と何度も言いたくなったことがあります。
そして3年ほど前に見つけたのが今通っている美容院です。
そこはオープンしたばかりで、オーナーはヘヤーカットコンテストで優勝した男性、そして美容院はすっきりモダンな造り。若い男性や女性がやってくるこの美容院を私は直ぐに気に入ってしまいました。
ただ、みんなおしゃべりが大好きなのは他の美容院と一緒でした。
でも、カットはうまいし、スタッフ全員の感じも良くて、しばらくは私の行きつけの美容院になりそうです。
2日前にこの美容院に行った時、オーナーのマッシミリアーノ(長い名前なのでみんなはマッシと呼んでいます)が格好良くて、つい写真を撮ってしまいました。
彼は数ヶ月前にパパになったばかり。髭も生やし始め、以前よりも落ち着いた雰囲気になりました。
さすがイタリア人~、という彼の格好をご覧ください。
左が美容院エストロのオーナー、マッシミリアーノ。右手にひげ剃り機、左手にくしを持っています。
チョッキの左ポケットには4・5本のハサミとクシが収まり、ボタンのところには髪留めが5本挟まれています。
右ポケットにはチェーンも飾られていておしゃれ。
ズボンは、いつものように真ん中にチャックがあるのではなく、股下から腰骨にかけて斜めにボタンが5個並んでいます。
靴は水色と白と茶色のコンビ。木の床を歩くとカタカタと音がしました。着ているシャツはストライプですが、その一本が靴と同じ水色でした。
左の写真。女性はリンダという名前で、髪を染めたりブローをする仕事がメイン。まだ25歳。
男の子は、名前を忘れてしまいましたが、今修行中で、午前中は美容院の学校に行き、昼過ぎからお店に出てきます。
今のところ、髪を洗う仕事だけをさせてもらっているようです。19歳だったかな?おとなしい男の子です。
リンダには婚約者がいますが、私が「写真を撮るよ」と言うと、ご覧の通り同僚の男の子に抱きついてしまいました。二人ともとっても明るくて、気持ちのいい若者です。