コバルトブルーのマントン
フランスの町マントンは、イタリアの地中海側にある高速を北上し、イタリア最後の町ヴェンティミリアを通り過ぎると直ぐに見えてきます。
私たちがマントンを訪れるのは今回で４回目になりました。
始めて行ったのは、サン・トロペからの帰りでした
サン・トロペから我が家まで車で８時間経。一気に走り抜くことも出来ますが、何処かで数泊すると少し楽だなと思っていたのです。
最初にモナコはどうだろうという案が出たのですが、私たちは何度も行っているし、私は又行きたいとは思いません。
じゃぁ、何処がいいだろうかとグーグルを見ていたら、ちょうどフランスとイタリアの国境にマントンという町があるのを見つけて、そこで数泊することになりました。
マントンを出ると直ぐにイタリアですから、気持ち的にも楽です。
そして行った海辺の町マントンがいい所だったのです。
その昔マントンはイタリア国だった町で、未だにイタリア人も沢山住んでいます。
その為、町の中ではフランス語とイタリア語が普通に話されていて、私たちが初めて聞いた時は驚きました。でも、それがとっても魅力的なのです。
フランスのエレガントなところにイタリアの底抜けに明るいところが加わり、何とも言えない居心地のいい雰囲気と魅力が町の中に溢れています。
そして、その魅力はマントンに行く度に増しています。
フランス人でもなくイタリア人でもないマントンの人たちは、親切で明るく、そして適当に距離を置きながらも人懐っこい。お隣さんのような感じです。
マントンにある海が又素敵。地中海ですが、太陽が出ると海の色がコバルトブルーに輝きます。
海の前には遊歩道がビーチに沿って何キロも続いており、そこでジョギングする人が絶えません。今回、私たちは毎朝ウォーキングをしました。
ウォーキングしながら新しく見つけたパティスリー兼喫茶店まで行って朝食を食べ、またウォーキングしながらホテルに帰ってくるのです。
朝食から帰って来た私たちは、ホテルの部屋のバルコニーにあったビーチチェアーで日光浴をしました。毎日１時間弱でしたが、ビタミンDが少しは摂取できたかなと思います。
新しく見つけたパティスリー兼喫茶店は、つい数ヶ月前にオープンしたそうです。「バニラ・ベーカリー」という名前のごとく、お店はバニラ色で統一し、従業員の制服もベージュ（濃いバニラ色）です。
お店には美味しそうなお菓子が一杯並んでいて、一つ選ぶのにえらい時間がかかります。
このお店のマダムも従業員もみんなフランス語を流暢に話し、私たちにもフランス語で応対してくれていたのですが、ある朝、ジョン・クロードが朝食代金を払う時についイタリア語で話してしまったところ、マダムが「なんてことなの、イタリア語がとっても上手じゃないですか！」とフランス語をイタリア語に切り替えて話し始め、そこから一気にイタリア語で会話が始まりました。
彼女は元々インテリアデザイナーの仕事をしていたそうで、ミラノやフィレンツエにも仕事関係で訪れたそうですが、９年前にご主人とマントンにやってきて、遂にパティスリーのお店を開店したそうです。
お店のインテリアが明るくて感じがいいのは彼女のセンスだったのでしょう。
左は「バニラ・ベーカリー」のテラス。右は明るい店内。若いマダムが働いています。
ミシェラン星付きのレストラン「ミラズール」、行ってきました。
お昼なのに満席で、なんだか前にも増して有名になったようです。私たちは予約を入れていたので窓際の席に案内していただきました。
前回行った時は１０月だったのでメニューは秋らしいものでしたが、今回は５月なので春らしいメニューに変わっていました。やはり季節毎にメニューが変わるのは嬉しいことです。
一緒に飲んだ甘口の白ワイン「Sauternes-Chateau Coutet 1er Cru classe 2006／ソーテルヌ–シャトー・クーテ・１級 クル・クラッセ ２００６年」」がまた美味しくて、もうこのワインだけを飲んでいてもいいくらいでした。（そんなことをしたら私は酔っぱらって立ち上がれなくなりますが・・）
１年に１度か２度、レストラン「ミラズール」で贅沢（丁寧でクリアティブ）な食事をするのは、心身ともにいいことだなぁと改めて思ってしまいました。
左はメニューの３番目に出て来たエビのカルパッチョと赤いベリー。
右はメインディッシュで地中海の魚Ombrin。下に敷いているのは甘いオレンジソース
ヴェーガンレストランで食べたサラダ２種。
ヴェーガンレストランのデザート。ミルク、卵、砂糖を使っていないけれど、豆乳やアガーベを使い、甘くて美味しい。
ヴェーガンレストランのテラスから見たコバルトブルーの海が綺麗。車道の向こう側が遊歩道。