珍しい日本食
クリスマスから年末年始と続いた祭日ですが、イタリアでは1月6日の祭日を最後に、いよいよ普通の日常生活が始まりました。
1月6日は、イタリアのカレンダー上では「エピファニー」となっていますが、一般の人たちは「Befana—ベファナ」と呼びます。
いろいろ意味はあるようですが、一つは「東方の三博士の訪問と礼拝の記念を祝う日」と言われており、この日にプレゼントをもらう子供達もいるようです。
ケーキを食べにいらっしゃいよと大家の奥さんに誘われた私たちは、様子を見に階下へ降りて行きました。
大家さん一家の他に長女のお姑さん(ケーキを焼いた本人)や次女のボーイフレンドもテーブルに集まり、まさに祭日を祝っているところでした。
大家さんちの孫たちは、新たにプレゼントをもらって大喜びです。
テーブルの真ん中には焼いたケーキの他に買ってきたクッキーなどの甘いものがずらり。
私はクリスマスも年始もケーキを焼きませんでしたが、今年はこうして大家さんちで3度もケーキを食べることになりました。
みんな本当に甘いものが大好きで、女性陣は、
「明日から又ダイエットね」
と言いながら、テーブルの上のスイーツを何度もつまんでは口に運んでいました。
「今日はどういう日なの?」
と私はケーキを食べたあと訊いてみました。
「今日はね、魔法使いが祭日の全てを持って行っちゃう日なの。だから、明日からは祭日気分は忘れて働きなさいという意味の日」
と教えてもらいました。東方の三博士のなんとかかんとかよりも、こちらの方がずっと現実味があって納得がいきます。
一般的にはベファナ=魔法使いのことで、1月6日の祭日には路上のマーケットでたくさんの魔法使いの人形が売られます。
ホウキにまたがったあの魔法使いです。
この魔法使いの人形を買って家に飾ると、一年間幸せでいられるそうです。
さて、祭日も終わりいつものように郵便配達の車がやって来るようになりましたが、私の知人が送ってくださったというクリスマスカードはまだ我が家に到着していません。
いつかは届くのでしょうか・・・?
私が住んでいるようなトスカーナ郊外で日本食品を見つけることはまずありませんが、オーガニック店に行けば、幾つか手に入れることができます。
今日は、先日見つけた目新しい日本食をご紹介します。
一つ目はラーメン。味噌ラーメンです!
2人分入った1箱が6ユーロ50セント(約千円)で、日本で売っているラーメンに比べると随分高いと思いますが、日本のラーメンでオーガニックというのが気に入り、
たまにはいいかと買ってみました。
作り方は日本のラーメンと同じです。4分煮ると書いていますが、柔らかくなりすぎるので3分でいいと思います。
出来上がりはちょっと味が薄めでしたから、私は味噌を少し足してみました。
たまに食べるラーメン、意外に美味しかったです。
二つ目は、しらたき。9ユーロ90セント
2・3年前にもプラスチックの袋の中に水と一緒に入ったしらたきが売っていたのですが(醤油だけはスーパーで売っている)、私はまったく興味がなく、他に買う人もいなかったのでしょう、そのうちに見なくなってしまいました。
ところが、ここ数ヶ月、「乾燥しらたき」が店頭に並ぶようになりました。ダイエットをしている人がパスタの代わりに食べるようです。
私には40何年ぶりかのしらたき。乾燥ものなので賞味期限が1年以上というのも気に入り、私はとうとう買ってしまいました。
さぁ、どうやって食べましょうか。
三つ目は、絹豆腐。
豆腐はスイスに住んでいる時から食べていましたから目新しいものではありませんが、今回購入した豆腐の外箱には「有機絹にがり豆腐」と日本語で書かれていて日本産なのです。すぐに買い物かごに入れました。
豆腐はいつもドイツやスイス製だったので、食べるのが楽しみです。
オーガニック店には、わかめや寿司用の海苔も売っていますが、日本産ではないので硬かったりおいしくなかったり。
もっともっと日本産の日本食が入ってくることを願っています。
味噌ラーメンのパッケージ。
乾燥しらたき。
絹豆腐