トスカーナの強風
トスカーナ、昨日から強風が吹き荒れています。
天気予報を見てみると、時速６０～９０kmだとか！
今日はマシだろうと思ったら、今日も時速４０～８０kmあるようです。
風は北東から吹いており、春らしく暖かくなってきたなと思っていた今週初めと打って変わって、また冬のように寒くなりました。
外では、大きな樫の木や太い幹と背の高い糸杉が、強風にあおられてユッサユッサと大揺れしています。平野にある小さい木々や畑に立ち並んでいるオリーブの木々は、まるで野原に咲く、か弱い草のようです。
我が家の前にあるテラスは北東に向いているため、階段を上がったところに置いていた対の鉢植えが吹き飛ばされて壊れてしまいました。
鶏に餌をやりにいかなければと、そのテラスの階段を降りようとした私は、あまりの強風に体が前に進めない感覚を味わいました。
よくTVで台風の実況放送をしていて、「こんな強風です！」と風に向かって体を前倒しにしても倒れない、という様子を見せていることがありますが、そんな感じです。
そんな強風の中、昨日の午後、私は予約をしていた美容院へ行き、その帰りにスーパーへ買い物に行ってきました。そこでの人々の話題は強風のことばかり。
トスカーナのある町では、バスから降りて勤務先に向かおうとした女性の真上に木が倒れてきて、その女性は亡くなってしまったとか、大きな木々がなぎ倒されて各地で被害がたくさん出ているとか。
トスカーナでもこんな強風は珍しいようです。私も初めて経験します。
海辺で感じる潮風はいいものですが、強風は嫌いです。
今週の火曜日でしたが、私は海辺の町へ行くときに鮮やかな黄色に満開しているミモザの木々をたくさん見ました。ミモザの花は小さくて丸っこくて本当に可愛いのですが、その花々がこの強風になぶられているのかと思うと、可哀想になってしまいます。
今日はそれでも太陽が出てきて、昨日の曇り空に比べたらずっと気分が違います。
それにこちらの石造りの家は、風が少々強く吹いてもビクともしないので、家の中にいる限り、平和です。
私は地熱発電所からの暖房がガンガン効いている我が家で、ビュー、ビュー、ガサ、ガサという風の音を聞きながら、静かにこのニュースレターを書いています。