サン・ジミニャーノ
いくつもの塔が建っているので有名なサンジミニャーノに付いて書きましょう。
ここにエトルリア人が住んで居た事から歴史は始まり、12世紀から13世紀の初めにはオイル、ワイン、穀物、家畜、なめし皮、そして特にサフランなどの商業でイタリア国内を初めフランスやシリアまで進出し、繁栄していたサンジミニャーノですが、数多くの戦争と何度かに及ぶペストの流行により、次第に力を落としていき、18世紀の末頃から昔の姿を残したまま、静かな町として建っています。
シエナを出て約30分ほど走っていくと、遠くにこの町が見えてきます。大小の塔が立ち並び、今もまだ中世の時がそのまま止まって残っているような錯覚を覚え、早く其処に着きたいと気持ちがはやります。
町からの自然の眺めはそれは素晴らしいです。なだらかな丘がいくつも重なり、糸杉の深い緑色と野原や木々の若い緑色が交じり合いながらも綺麗な模様を描き、真っ直ぐに縦、横に並んだブドウ畑とオリーブ畑がそこにコントラストを描いていて、全く絵葉書のようで、これこそトスカーナです、という美しさです。
先ず門をくぐって、サン・ジョバンニ通りを上っていきましょう。両脇はいろんなお店で一杯です。陶器の店から、特産物店、アイスクリームの店、皮製品の店、ワインを売っている店、とひしめき合っています。値段ですが、普通の町と比べると少し高めですね
ここトスカーナではいのししの肉も有名です。今はもう終わりましたが、狩の時期になると、多くの人達が銃を持ち山へ入っていきます。ただし、1年中が狩の時期ではないのが嬉しいですね。又、この時期には雉を追っていく人も多く、その時期を過ぎた今は、そこら中で雉がゆっくりと歩いているところが見られます。特にオスの雉は綺麗な色をしています。という事で、ここではいのししの肉のソーセージなどを買う事が出来ます。
サン・ジョバンニを昇って行くと、先ずチステルナ広場に出ます。チステルナとは井戸と言う意味で、この広場の真中に古い井戸が残っていて、そこからこの名前がつけられたようです。さて、ここに出たら、今世界中で有名なジェラート(アイスクリーム)店を捜して見ましょう。ここのチョコレートジェラートは特に有名で、お店の軒先にその事が載った新聞が下がっているので、すぐわかると思います。日本語でも書いた物がありました。いつも列が出来ているので、見逃す事はないと思います。本当に美味しいです。お試しください。
さて、ここからいろんな塔が見られます。塔は、その昔72本あったということですが、1580年には25本しか残っておらず、現在では14本残っているだけです。残りは、建築家が塔の先を切って他の建物と合併したりし、市民の生活に密着した物になったようです。