Kiyomi D.

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ヴィテイ宮殿

今日は紀元前9世紀から7世紀ごろに、エトルリア人によって既に存在していた町、ヴォルテ―ラにあるヴィテイ宮殿について書きましょう。

palazzo vitti volterra

この町は紀元前3世紀に作られた4mの幅を持つ城壁でも有名ですが、もう一つここヴォルテ―ラで有名なのが、アラバストロ(雪花石膏)です。このアラバストロは大理石のように気品があり、かつ大理石よりも柔らかく、いろんな形に作りやすかったのです。このアラバストロをつかって、テーブル、お皿、キャンドルスタンド、彫像、などいろんな作品が作り上げられれました。そしてこのアラバストロを世界中に広めた人が、ジュゼッペ・ヴィテイなのです。彼は1850年に大部分完成していた宮殿を買い取り、さらに改築を重ねて自分の宮殿としました。この宮殿はロネッサンスとバロック様式を取り入れた、長さ44m,奥行き16mの素晴らしい建物です。更に1860年にはイタリア最初の王様、ヴィクトール・エマヌエル2世の為に修復工事がなされました。

palazzo vitti volterra

この宮殿の一角には未だに彼の家族が住んでいます。ここはイタリアの有名な映画監督、ヴィスコンテイによって、クラウデイア・カルデイナ―レの主演で映画も撮られました。そして今は、3月から10月までの間、旅行者にも公開されています。

先ず入ってみましょう。玄関には彫像が立ち並び、石の階段がむこう側に見られて、威厳がある入り口にもかかわらず、なんとも入りやすい雰囲気が漂っています。部屋はそれぞれの名前で呼ばれています。舞踊の間、戦争の間、陶器の間、書斎、ヴラチェットーネの間、赤い間、バルコニーの間、王様の間、黄色の間などで、それぞれ意味があるのです。

palazzo vitti volterra

この宮殿の特徴は、ヴィテイがアラバストロを世界中に広めるために出かけた際、その国の物を土産として持ち帰り、かなりなコレクションで埋まっているところです。勿論彼の商品、アラバストロの作品も沢山置かれています。

彼のコレクションはインド・中国・日本、イギリス、フランス、スペイン、ネパール、アラブなどからの物で、その国独特の素晴らしい調度を私達は楽しむ事が出来ます。そして、宮殿の各部屋は、それぞれ違った色のフレスコ画で鮮やかに描かれています。今日は各部屋に付いては書けませんが、素晴らしいシャンデリアや、大きなキャンドルスタンド、世界各国からの扇、書斎には世界でも珍しい、そして重要な本の山、等と言い出したらきりがないほどの素晴らしい持ち物で埋まっています。ため息が出てしまうほどです。

palazzo vitti volterra