Kiyomi D.

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アグリツーりズモの10周年パーテイー

podere Fraggina, volterra, toscana

先週の日曜日、友達が経営しているアグリツーリズモが10周年を迎えるという事で、パーテイ―を開くからどうぞいらっしゃって、というご招待を受け、行ってきました。
彼等はヴォルテーラの町の直ぐ麓にある「PODERE  FRAGGINA・ポデーレ・フィラジーナ」を経営しているイタリア人とオランダ人のカップルです。
まだ若い彼等とは私達がトスカーナに住み始めて直ぐに知り合いになり、今では家族ぐるみでお付き合いをしています。
10周年と言ってもアグリツーリズモを始めてから10年ではなく、古い農家を買いとって、それをアグリツーリズモに改築するのに4~5年かかったそうですから、アグリツーリズモとして営業が始まったのはここ5年ほどです。
ヴォルテーラの城壁の直ぐ外側から彼等のアグリツーリズモのところへ降りていくのですが、そこはかなりの坂道で、車がやっと1台通れるくらいの細い、決して良い道とは言いがたい道が続きます。でもその道の両側には糸杉がづーっと並び、そこから眺める左右の風景は正にトスカーナそのもので絵葉書のようです。

podere Fraggina, volterra, toscana

さて、パーテイ―は7時くらいから始まるから、というのでじゃあお手伝いに少し早めに行くからと、私達は午後5時半くらいに到着しました。
インガー(オランダ人の奥さん)のご両親も到着しており、テーブルを何処に設置するか、椅子はどうか、と家の前の広場でワンサワンサやっている所でした。ただしお料理のほうは殆ど完了し、後はフォッカッチャを焼くだけの状態でした。フォッカッチャはピッツアの生地だけのものにオリーブオイルを回しかけ、ローズマリンのハーブをぱらぱらと散らしただけの簡単なスナックです。
それを焼く釜戸にも大きな火が焚かれています。
この釜戸でピッツアやフォッカッチャを焼くとなんと数分でこんがりと焼けてしまうのです。

さあ、テーブルセッテイングができた所で、いよいよフォッカッチャを焼くことに。お手伝いに来ていたイタリア人女性がフォッカッチャ生地を小さくちぎり、それを麺棒で丸くしていきます。そこにオリーブオイル、ローズマリンを散らして、マッシモ(ご主人)が大きなスプーンのようなもので掬い上げて釜の中に入れていきます。直ぐにいい匂いが漂います。
何十枚焼いたのでしょうか、すっかり生地を焼いてしまって準備万端なのに、客は誰もまだ到着しません。8時過ぎ、招待されていたアグリツーリズモの客たちが少し恥ずかしがりながら出てきました。4組のうち3組はフランス人家族です。今年は何処でもドイツ人旅行者が減ってその代わりオランダ人とフランス人旅行者が増えたと聞きました。

podere Fraggina, volterra, toscana

9時を過ぎてもう準備はまったく整い、何もする事がないので、テーブルの上に出ているピーナツをつまむ私達。「ねえ、皆が来るまでその焼いたフォッカッチャをまだ熱い内に食べようよ・・・」と誰かが言い出しましたが、マッシモは駄目だと言います。「お腹空いたねえー」「いつ皆到着するんだろうねー」なんて言っている内に、ほらやってきました。駐車する場所がないから、車ではアグリツ―リズモまで来ないで、と言ってあったのにもかかわらず3台も車が入ってきます。

あーあっ、イタリア人は決して歩かない人類なのです。

「そうら、パーテイーの始まりだあー」、と言ったのが既に9時半過ぎ。

とにかくイタリア人は約束時間には決して現れません。必ず遅れてきます。そして「遅れてごめんなさーぃ」とか「申訳なーい」なんて一言も言いません。「ハロハロー、着いたよー」、「ああ、集まってるねー」で終わりです。日本、スイスと時間には正確な国で育った私ですから、イタリアに来た当初はこれはこたえました。約束しても必ず遅れてくる。「もう誰も彼もどうしてなのー!」と最初は怒っていましたが、もう今では慣れました。イタリアでは怒る方が間違っているみたいです。

全員そろって約50人ほどが長―いテーブルに着きます。先ずはトスカーナ名物のパンのスープが出てきました。スープと言ってもパンが汁気を吸ってしまっているので、まったくスープには見えませんが、沢山の野菜が入っていて美味しいのです。
その後はアンテイパストの勢ぞろいです。皆しゃべりながら良く食べます、というか食べながら良くしゃべります。私もお腹が空いていたので、アンテイパストを2回もおかわりしてしまい、この後に出てきたキッシュが食べられなくて残念でした。
更にその後はデザートで、先ずはアイスクリームにインガー手作りのプラムのワイン漬けがかかって出てきました。そしてケーキ類が4種類。もう私のお腹は一杯で、ケーキなんてまったく入りません。全部手作りなのに残念。
いったい何人分の料理を彼女は用意したのでしょうか。足らなかったらいけないので、と沢山用意したそうですが、あれは100人分はあったでしょう。

全員満腹になったところで映画会です。内容はというと、マッシモ夫婦が古い農家を買いとった時から現在までの10年間をマッシモが25分間のショートムービーに作り上げたのでした。古い崩れかかった農家から、家族全員の協力で現在のアグリツーリズモになるまでが映されていました。途中で生まれた2人の息子の写真も可愛らしく、皆の拍手を迎えて映画会は終わりました。
その後はデイスコダンスが始まりましたが、次の日は月曜日でお仕事に行かなければいけない人が殆どなので、全員早めに引き上げていきました。
私達が家に着いたのは朝の2時頃です。私はその後4時半くらいまでコンピューターに向かっていたのでした。

次回は今人気が出始めたアグリツーリズモについて書きますのでお楽しみに。

podere Fraggina, volterra, toscana

数日前、こちらの新聞にイタリアの何処の空港が一番便利に出来ているか、という記事が出ていましたが、トスカーナではフィレンツェ空港とピサ空港ですね。それでピサ空港が4つ星だったのに、なんとフィレンツエ空港はたったの2つ星でした。

どちらも小さな空港なのですが、ピサ空港はいったん中に入ると出発と到着が同じフロアーにあり、大きなコーヒーショップやお店などがあって、それは機能良く出来ています。これがフィレンツエ空港になると出発と到着が別の建物に分かれているのです。チェックインのカウンターも到着地の書かれているTVとその真下のカウンターが違っているなど、かなり乱雑な所があります。
それから空港まで辿り着く道ですが、ピサ空港の方はピサの町に到着する直前に空港へ出る道があり、そこを辿ると真っ直ぐ空港の前に出て、その横には他の町へ行く列車の駅も立っています。ところがフィレンツエ空港は高速を抜けると急に左右分かれている道に出くわし、そこにはどの方角が空港へ行くのかまったく表示されていません。私達も最初はびっくりです!感で取った左側の道が空港へいく道だったのですが、これでは車で来ている旅行者はまったく困ったものです。
そしてその空港へ辿りつくまでの道もくねくねと長く続き、ある所では急に右車線に入らないと空港からそれてしまう、などとびっくりさせられる場所もあり、本当にフィレンツエ空港までの道のりは面倒です。

私もピサ空港の方が好きです。

前回のトスカーナ日記で「トスカーナでは今稲刈りが始まり…」と書きましたが、実は「麦刈り」の間違いでした。ごめんなさい。指摘してくださった幸子さん、有難うございました。

podere Fraggina, volterra, toscana