キヤンテイにあるカステッロ(城)
今日は8月にしては珍しく雨が降っています。本格的な雨で、ザアーザアー降った後、今でも小ぶりが続いています。大きな雲が近くの谷に垂れ込め、遠くに見えるヴォルテーラも今日はまったくかすんで見えません。
と、いう事を先週末に書いたのですが、それから毎日雨模様で、ここ1週間夜に雨が降り、日中は晴れると言うお天気が続いています。
8月に雨が降るなんて本当に珍しく、何でも70~80年ぶりとかで、3週間前にも雨が降った為、いつもでしたらこの辺りは麦刈りが済んだ後は乾燥地帯のような景色を広げるのですが、今年はうっすらとグリーンが広がり、なんとも気持ちの良い風景を見せてくれています。でもまたこれが農業をやっている人には良くないらしく、せっかく掘り起こしている土地に又草が生えてくるので、2倍の仕事になるのだそうです。
北と南イタリアではここと比較にならないほどの雨量があり、ひょうも降った為、作物や果物そして葡萄がかなりやられているようです。
幸いにトスカーナは大きな被害をこうむった様子はなく、雨と太陽のおかげで春のように又道端に花が咲き出しました。
今年はもぎたての果物を沢山食べました。私の住んでいる所は郊外なので、多種の果物の木を植えている家が多く、お隣さんの庭にもサンクランボ、アンズ、プラム、洋ナシ、桃、そしてイチジクの木があり、そこから直接もぎ取った果物を沢山頂きました。実は隣の立派な一軒家の家は、両親が息子の結婚した時の為に作ったのだそうですが、結婚間際になって破局となり、10年以上たった今でも空家のままなのです。家と庭は父親が時々やってきては綺麗にしていますので、いつでも人がすめる状態ですが、肝心の息子はまったく結婚する気がないようで、庭にある果物の木だけが立派に育っています。育っても食べてくれる人も少なく、それで私達におすそ分けが回って来ると言うわけです。この父親は私達を見ると、「ドアはいつでも開いてるから、好きな時に入って好きなだけ採って食べてください」ととっても親切に言ってくれます。今は立派に熟したイチジクを頂いている所です。これが甘くて本当に美味しい。
今日はキヤンテイにあるワイナリー、「Castello di Verrazzano」のご案内です。ここは庭園が素晴らしく、その見学を兼ねてのワイナリー巡りがコースになっています。
いつもの素晴らしいキヤンテイの風景を見ながらグレーヴェ・イン・キヤンテイにある「Castello di Verrazzano」へ近づいていきました。塔のある大きな規模のワイナリーです。堂々としていて素晴らしい。ジーノと言うイタリア人の案内でコースは始まりましたが、はっきり行って庭は大した事はありませんでした。もっと花が咲いたきれいな大きな庭かと思っていましたが、かなり小さなグリーンだけの庭で、ちょっとがっかりしてしまいました。まあ、イギリスではありませんから、トスカーナの庭はこんなものでしょうか。
「ヴィン・サント」の説明から始まり、どんどん地下に入っていき、「Castello di Verrazzano」のワインを見せてもらいました。そして最後に庭にあるレストランでワインテストです。ベーシックの「キヤンテイ・クラシコ」から始まり、最後は特別な「シルクのように滑らかなワイン」と言われている、「ボッテイリア・パーテイコラーレ」と言う面白い名前のワインで締めくくりました。さすがに最後のワインは美味しかったですね。料金は1人15ユーロ。ワインテストだけではなく、プロシュートやサラミ、チーズの軽い食事がついたものは31ユーロです。
まあ、面白い所ですが、ただ案内してくれたジーノの個人的なおしゃべりがちょっと長くて退屈した所もありました。それに丁度旅行ハイシーズンだったためか、20人ほどの旅行者(アメリカ人が殆ど)と一緒になり、ぞろぞろと歩いて見ていくと言うのも私個人的にはあまり好きではありませんでした。
キヤンテイにはこう行ったワイナリーが沢山あります。私達もまだまだ知らないところが多いので、これから少しづつ訪問して、旅行者ぞろぞろのところではなく、個人経営で、ゆっくりと訪問できるところを見つけようと思っています。