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ピレネー山脈、Ax-Les-Thermes(アックス・レ・テルメ)

10月です。朝夕、肌寒くなりました。
日中気温も23度前後が続いていましたが、今週は27度まで上がる日があると知った私とジョン・クロードは、その日を選んでまた新しい町の散策に出かけてきました。
町の名前はAx-les-Thermes(アックス・レ・テルメ)
ピレネー山脈の中にある、名前の通り温泉と、それからスキー場で知られる町です。
ネットで調べたところ、ケーブルカーが1年中動いており、スキー場がある山のかなり上まで上がれるらしいのです。
素晴らしいお天気の中、ケーブルカーで山に登り、いい空気を吸って、綺麗な写真を撮ってこようと、準備をして行ってきました。

朝、家を出た時の気温は15度。すでに刈り取られた麦やひまわり畠の郊外へ出ると13度まで下がりました。だからでしょうか、雲ひとつない青空が広がり、ドライブをしていても気持ちのいいこと。
途中、郊外で車を泊めて、家からテルモスに入れて持ってきたコーヒーとチョコレートで朝食です。
フランスの高速道路はもちろんですが、休憩地と呼ばれる(高速道路上にあるけれどガソリンスタンドやお店のない場所)サービスエリアには、自然な森の中にトイレと、それからピクニックができるようにテーブルと椅子がくっついたベンチが設置されています。ベンチは木でできていたり、コンクリートだったりしますが、このベンチが郊外のいたるところにも設置されていて、ちょっとした休憩や軽い食事をするのにとても便利なのです。
イタリアのトスカーナにはこれがなくて、難儀したものです。高速のサービスエリアに入っても、レストランに入らない人たちは、食べ物を車のそばで立って食べるしかなくて、どうしてベンチを設置しないのかといつも不思議でした。

1時間ほどスピードウエイを走り、その後、広い、広い郊外を1時間ほど走ったら、いよいよピレネー山脈の緑濃い山間に入ります。道は狭く、カーブが多くなりましたが、週の半ばでドライブに出かける人は少ないのでしょう、道はガラガラ。空はどこまでも青くて、気分はウキウキ。
私たちはスムーズにアックス・レ・テルメに到着しました。標高720mで、小さな山間部の町です。
町を入ったすぐのところに無料駐車場があり、そこに駐車。そこからゆっくりと町の中心地に向かって歩いていると、すぐにケーブルカーの駅が見えてきました。ふたりで、ここだ、と喜んだのですが、えっ・・・、なんとケーブルカーは動いていない。駅もシャッターが下ろされている。
ええ~~~、そんな~、がっかり。これを目当てにやってきたのに・・・。
何か情報を得ようと、私たちは街のインフォメーションオフィスへ向かいました。
その時、町の中心地に足湯ができる場所を発見。さすが温泉地です。日本みたい、と喜ぶ私。

さて、インフォメーションオフィスのカウンターにいた女性によると、ケーブルカーが動くのは、夏は7月と8月だけ、冬は雪の降る量によるけれど、だいたい12月3日くらいから3月末くらいまでだそうです。ネットで調べたら、1年中動いていると書かれていた・・と未練たらしく言ってみましたが、動いていないものは動いていない。
しかたがない、それじゃぁ、車で行けるところまで行って、そこから歩こうと、女性に山の地図をもらって外に。
ちょうどお昼時だったので、まずは、町でバゲット(地元の人でいっぱいのパン屋を見つけて、いろんなパンを購入)、羊のチーズ、トマトをゲットして、目的地へ出発。

ハイキングが出来る場所はたくさんありますが、私たちが目指したのは一番近くにあるCol du Choula(コル・デュ・シューラ)という場所です。ハイキングや自転車、冬にはクロスカントリースキーもできると表示されています。レストランの表示もありましたが、ケーブルカーが動いていないから多分レストランも閉まっているだろうと思いながら出かけました。

車に乗って細い道をくねくねと登っていくのですが、本当に他の車に出会わなくて、貸切状態のドライブでした。
やっと広々としたところに出たら、そこがシューラでした。標高1431m。白い牛がたくさん草を食んでいて、スイスのアルプスを思い出しました。
展望台のあるレストランはやはり閉まっていましたが、駐車場になっているところにベンチがいくつも設置されていたので、そのうちの一つに座ってピクニックです。バゲットとチーズとトマトだけの食事ですが、外で食べるとどうしてこんなに美味しいのでしょう!!

食べ終わると、いよいよハイキング。いろんな道が分かれて伸びていますが、私たちは標高1600mにある避難小屋へ続くハイキングコースを選びました。2kmちょっと歩くと避難小屋にたどり着くようなので、そこでUターンして帰ってこようと、歩き始めましたが、思ったよりも坂がきつくて私の心臓がドクドク。ちょっと休憩、と言って立ち止まると、ジョン・クロードが、まだ1kmも歩いていないよ、というではないですか。
普段、我が家からウオーキングに出かけるときは、5km近くの距離を休憩なしで歩いているのですが、やはり山道は違います。 何度か休憩して、やっとシューラの避難小屋近くに到着しました。

小屋の中には入っていませんが、中には寝床や食料が蓄えられているそうです。携帯電話も繋がるように、すぐ近くに大きなアンテナが立っていました。
私とジョン・クロードは、道端に座ってしばし休憩。
空はどこまでも青く、鳥の声と、遠くから牛のベルの音だけが聞こえてきます。涼しい微風が吹いていて、なんと気持ちのいい時間でしょう。
しばし頭の中を空っぽにして、さて、下山です。
下山し始めたら、山道の坂がかなり急だったことを改めて知りました。石ころ道を転ばないように降りていると、登りよりも足の筋肉を使います。
ピレネー山脈のおいしい空気をいっぱい吸って、帰ってきました。

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アックス・レ・テルメの町の中を流れる川

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足湯。「熱湯に注意」という張り紙がありましたが、湯は少々ぬるめ。ただし、ピレネーから温泉地に流れ込んでいる湯は78度もあるそうです。 足湯には、頻繁に人々が訪れていて、私とジョン・クロードも足を入れてみました。いい気持ちでした。

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足湯を楽しむジョン・クロード

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この建物はアックス・レ・テルメ温泉。温泉に浸かってリラックスするところ。別の場所に、神経痛などを治す温泉もありました。

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車で行ったCol du Choula(コル・デュ・シューラ)。ピレネー山脈の懐です。ここからハイキング用の道がいくつも分かれています。私たちもここから歩いて避難小屋がある場所(標高1600m)まで登っていきました。

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山道からの眺め。空気のいいこと!

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写真でもお分かりでしょうか。山道はかなりの傾斜です。

今日も素敵な一日をお過ごしください。