フランスライフの始まり
イタリアのトスカーナから南フランスのカルカッソンヌに移り住んだばかりの清美です。
約2ヶ月半ぶりのニュースレターになります。ご無沙汰いたしました。
今回の引越しは、本当に大変でした。まだ終わっていませんが・・。
6月の初旬にカルカッソンヌにあるアパートを見つけた私たちは、片道900km以上あるトスカーナとカルカッソンヌの高速道路を何度も往復し、新しいアパートを掃除し、ドアや扉のペンキを塗り直し、トラックと自分たちの車で何度も荷物を運び入れ、最後にトスカーナの家を掃除して15年間住み慣れた家を後にしたのは8月31日でした。
その日、トスカーナの家にいたのは大家の奥さんダニエラと次女のデボラだけでした。
エミリーとビアンカのいる長女家族は私たちが出発する1日前に休暇へ出かけて行き、私たちの方が「行ってらっしゃい。楽しんでね」と送り出したので、子供達と別れる時は泣いてしまうかもと心配したのがなくなりホッとしたのですが、翌日、私たちがいよいよトスカーナの家を出る時は、ハッグしたダニエラとデボラが泣き出してしまい、私もジョン・クロードもとうとう泣いてしまいました。
15年間、家族のように親しくしてもらったことが一気に思い出されて、涙が溢れてきて・・。この15年間、あっという間でもあり、長い年月でもありました。
いい思い出がいっぱい詰まったトスカーナライフ。思い残すことはありません。
ダニエラは泣きながら私の顔中に何度もキスをしてくれ、デボラは目を真っ赤にして何も言えないでいるようでした。
言いたいことはたくさんあるのに言葉にならない。私とジョン・クロードも一緒でした。
私達の乗った車が出発すると、車が見えなくなるまでずっと見送ってくれたダニエラとデボラ。
素敵なトスカーナライフをどうもありがとう。いつかまた会いましょう。
「チャオ、トスカーナ!」
途中、マントンで一泊し、9月1日、カルカッソンヌのアパートに到着した私たちは、数日前にジョン・クロードと大家さんの義理の息子がトラックで運んでくれた、部屋中いっぱいの荷物に迎えられました。
長いドライブの疲れなど気にもならず、無駄口なしでせっせと片付けに入る二人。
それから毎日、殺風景なアパートを私たちの気にいるように整え始める日々が続きました。
家具などを買いに行き、それをアパートの中に設置する、その繰り返しの毎日が続き、やっとひと段落したかなと思えたのが、この週末なのです。
3週間、二人でアリさんのように働きましたが、観葉植物も部屋に飾り、気持ちのいいアパートになりました。お疲れ様でした。今日はシャンペンでお祝いです。
これから、いよいよフランスライフが始まります。
カルカッソンヌの小さな町は、パン一つ買うのにも車を出していたトスカーナの郊外と違い、歩いて買い物に行け、郵便局や駅も近くて非常に便利。
私たちの住むアパートは、町の中心地から少し離れており、たった5家族が住む静かな建物です。(周りは住宅街)
広さは100平方メートルあると大家がいうアパートですが、日本でいうと3階にあり、大きな窓から陽がさんさんと差し込みます。
その窓からトスカーナと同じ赤いレンガの屋根が見えて驚きました。フランスの街や村では黒い石で作った屋根の建物が多いと知っていたので、ここにトスカーナと同じ赤い屋根があり、ちょっとホッとしました。
アパートの前は幼稚園と小学校が立っています。朝夕の登下校時に子供達の明るい声が聞こえるかなと楽しみにしていたのですが、どうも学校の入り口が建物の向こう側にあるようで、朝夕とも静かなものです。
毎日リビングの窓の前に置いたテーブルから二人で大きな空を見上げています。雲が消えていく様子や鳥が飛ぶ姿を見ていると、日常の大変なことなどすっかり忘れてしまいます。
街を歩くとフランス人に混じってアラブ人家族やフランス系黒人もたくさん歩いていること、日曜日と月曜日はほとんどのレストランが閉まっていることなどに驚きながら、私は私の知らないフランスにこれからどっぷりと入っていこうとしています。
(あぁ、フランス語の勉強もしないといけないなぁ・・)
私の住むアパートのすぐ裏手にある川から見たカルカッソンヌのお城。右手に見えるのは12世紀から残る古い橋。7月14日は、お城の前に打ち上げられる1600発の花火をこの川辺から見学して感激しました。
古い橋の向こう側には大きな公園が広がり、私たちはそこまで毎日ウオーキングに行っています。お城も歩いてすぐのところ。
カルカッソンヌのお城とともに世界遺産になっているミディ運河。アパートから徒歩で10分くらいのところです。船を借りて、こうしてミディ運河をゆっくりと下ったり登ったりする旅行者がたくさんいます。スローライフがお好きな方にはぴったりな旅。
リビングのビフォー
リビングのアフター
キッチンのビフォー。 シンク前にあるアイランドは、ジョン・クロードが作ってくれました。
キッチンのアフター。フランスのアパートを借りると、キッチンにはシンクくらいしかないのが普通で、私もガスコンロを含めすべての電気製品は新しく購入しました。観葉植物が乗っている左の白い棚やその下にある引き出しなども自分たちで取り付けたものです。