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ガレット・デ・ロワ

1月6日は、フランス中でガレット・デ・ロワというお菓子が食べられる日です。スイスに住んでいた時にも食べましたから、他のヨーロッパ国でも同じような習慣があるようですが、歴史は古代ローマのサーテゥルヌスの祭典にさかのぼるようです。
まぁ、詳しいことはここでは省きますが、とにかく、ガレット・デ・ロワというお菓子はパイ生地の中にアーモンドのちょっと硬めのクリームが入ったガレット(ケーキ)です。
特徴があるのは、中に2cmほどの陶器で作られた小さなお人形が入っていること。
みんなで分けながら食べている時に、この人形が口に当たった人は、1日中王様になれると言われます。好きなことを言うと、それが叶えられると言うことですね。なので、ガレットを買うと必ず紙で作られた王冠も一緒に渡してくれます。
私もスイスで食べたのが最後だったのでしょうか、しばらく食べていなくて、ひょっとしたきっかけでこのガレットのことを知り、近所に美味しいパティスリーもあることだし、一度買ってみようかとジョン・クロードに提案してみました。
僕は昔からこのガレットを食べているから、どれが美味しいのか言い当てられるよ、とジョン・クロード。
それでは、近所の優秀パティスリーがどれだけ美味しいガレットを作るのかチェックしてみようということで、二人一緒に買いに出かけました。

お店に入ると、ああ~、いい匂い~~。目の前のガラスケースにはガレット・デ・ロワが大中小の大きさで置かれています。私たちは小を購入して、そそくさと帰宅。
すぐにも食べたい気持ちを抑えて、食べるのは午後のお茶の時間にしようね、と二人で決めてちょっとお預け。
さて、お茶の時間の4時がやってきました。いつもなら、私たちのお茶の時間は、まずフルーツを食べて、それからお茶を飲みながらお菓子などをつまむのですが、この日はもう待っていられなくて、すぐにガレットを切り分けました。
切っている端からつまみ食いをしてみると、おお~~、美味しい!
どうですかジョン・クロードさん?と訊いてみると、いや、これは美味しいガレットだと彼も驚いた様子。
さすが、優秀パティシエに選ばれたパティスリーだ。こんなに美味しいお菓子を作るパティスリーが歩いて3分ほどのところにあるなんて、なんて私たちはラッキーなんだろうと、またもやカルカソンヌに住み始めたことを喜んだのでした。

やおらお茶が出来上がりましたが、最初のガレットはもう食べ終わっています。でも、なんだか物足りない二人。 買ったのは小さなガレットだし、残りの半分を食べても、まあ食べ過ぎにはならないでしょう、と勝手に二人で判断して、私たちには珍しくガレット全部を食べてしまいました。ああ~、満足したー。

ガレッタの中に入っている小さな人形のことをフェーヴと呼びますが、実はフェーヴとはソラマメのことで、昔は人形の代わりに空豆を入れたようです。
だからでしょうか、私たちが買ったガレットの中には、陶器の人形も入っていましたが、フェーブも出てきて驚いたのでした。

galette

ガレット・デ・ロワ。お茶が出来上がる前に、二人ですでに3分の2ほど食べてしまい、お茶を飲みながらさらに残りもいただきました。
後ろに見えるのが紙でできた王冠です。

みなさま、今日も素敵な1日をお過ごしください。