ホーム     フランス便り     プロファイル


オート・クチュール

小林麻央さんが亡くなられたことを知って、私はここ数日、涙もろくなっています。皆様はこの夏いかがお過ごしでしょうか。
さて、フランス全土(というかヨーロッパ全国?)は、ここ10日ほどとっても暑い日々が続きました。嬉しいことに、昨日から普通の夏の暑さに戻ってくれてホッとしています。お昼頃まで24度ほどの気温が続くので、窓を開けて新鮮な空気や風を入れることができるのが嬉しい。
それでも、お昼を過ぎると気温が上昇するので、我が家は窓のシャッターを下ろして太陽光線をシャットアウトします(4つある我が家の窓がまた大きい!)。家の中は一気に暗くなって、洞窟の中で生活しているようになりますが、これが我が家の夏の過ごし方。暑いよりも暗くて涼しい方を選びます。
この夏は、ダイソンの空気清浄機能つきファンを買ったので、それで涼しい空気も味わえるし、今年は今までに比べるとずっと過ごしやすい夏になりそうです。

カルカソンヌのすぐ近くに「黒い山」という名の山(森)があって、その中腹に小さな村があります。その村の入り口に「La Salon de Vauban」という小さな喫茶店のようなお店があります。お店の女性オーナー・モニックの手作りケーキとともに、コーヒやお茶が飲める他、野菜たっぷりの一品料理やキッシュなどが食べられるお店で、材料のほとんどがオーガニックなので、私とジョン・クロードはとても気に入り、月に何度かは訪れています。 www.lesalondevauban.fr

vaubon

その彼女のお店の2階に、手芸作家たちが作品を持ち寄って展示や販売をする場所があります。喫茶店に入って来た客たちは勝手に2階に上がってその作品を見る事ができます。
そこには、モダン絵画や木で作られた飾り箱などが並んでいますが、一番目を引くのが、洋服です。マネキンに着せられた服やハンガーに吊るされた服などいろいろ。
モニックに聞いて見ると、これらは以前、シャネルや エルメスの下請けでお針子さんとして働いていた、モニックの友達の手作りのものだとわかりました。彼女の名前はシルヴィー。
とても険しいオーナーの元で何十年とお針子の仕事をしていたシルヴィーですが、病気になりお店をやめてしまいます。
そのあと、モニックのお店がある小さな村に住むようになり、モニックと友達に。
3年前、モニックがこの喫茶店をオープンした時、お店で着る白いブラウスが欲しいわ、とついシルヴィーに言ったところ、数日後、寸法も何も測っていないのに、モニックにピッタリなサイズのブラウスを作って持って来たそうです。それ以来、彼女の作った服をお店の2階に置いているということです。

シルヴィーは背が高く横幅もある女性で、彼女の作る服は私には少々大きめです。可愛いなと思っても大きすぎるので、今まで手にすることはなかったのですが、6月初旬、素敵なピンクのワンピースとジャケットのセットが目に入りました。着て見るとやっぱりかなり大きめ。
でも、お直しするのは当たり前よとモニックが言うので、シルヴィーに連絡を入れて、数日後に寸法を取り直してもらいました。
そして先週、仮縫いに行って来ました。着てみるとサイズは私にピッタリ!! やり直すところがあるかなと思って針を持って着たんだけど・・とシルヴィーは言っていましたが、さすが何十年もお針子さんとして働いて来た人です、どこもやり直しなし!
フランスに一着しかない服よ、とシルヴィーは言っていましたが、世界にたった一つしかない服でしょう。
形は、ジャック・ケネディーが着用していた洋服に少し似ているそうです。
少しエレガントなワンピース。再来週、スイスに行くので、そのときレストランで着ようかなと思っています。

sylvie

ジャケットとワンピースのセット。ジャケットは、前が短く後ろは長めで、後ろは身頃から離れてふわっと広がっています。

sylvie

ワンピースの自撮り。前から見ると普通ですが、後ろが肩ひもになっているのが好きです。

sylvie

ジェケットのラベル。シルヴィーと名前が書かれています。

今日も楽しいひとときをお過ごしください。