リヨンの街
4月10日の月曜日、ジョン・クロードの仕事も週末で終わり、この日は人並みにリヨンの街を観光しようと、私たちは夕方7時半の電車で帰宅することに決めていました。観光と言っても何も調べて来ていない私たちです。唯一、丘の上からリヨンの街が眺められると言うことだけを知っていて、そこにタクシーで行ってみることにしました。ホテルのレセプションの人にタクシーを呼んでくれるようにお願いすると、バスでも簡単に行けますよ、と言ってくれましたが、私たちはバスを待つのも面倒なので、タクシーで行くことに。
ホテル前からタクシーに乗って、リヨンの街が眺められる丘に登るケーブルカーの乗り場まで行ってくださいと伝えると、「ああ、フルヴィエールの丘ね」と運転手さんは言ってビューんとタクシーを走らせます。リヨンはパリの街に比べると車の渋滞が少ないように感じます。そのためか、どのタクシーもスピード感がいっぱいで、ちょっとハラハラ。
丘に向かっている途中でタクシーの運転手さんが「これは一つの案なんですが、ケーブルカーの乗り場までお連れするよりも、このまま丘の上にご案内すると言うのはどうでしょう。その方が早く到着するし、タクシー代も節約できますよ。ケーブルカーに乗りたければ帰りに乗ればいいし」とおっしゃってくれて、やはり地元の人、特にタクシーの運転手さんはこう言うことに関しては詳しいでしょうからと、私たちは運転手さんの案に乗ることにしました。
タクシーはローヌ川とソーヌ川を渡って、そこから傾斜のきつい坂道を登り始めました。歩くと大変だわ、と思うような傾斜でしたが、歩いている旅行者がいてびっくり。そんなことを思っているとすぐに丘の上に到着。タクシーは大聖堂の横で私たちを降ろしてくれました。
「大聖堂の前を通って奥に入っていくと大きな駐車場があるから、そこを抜けるともう眺めのいい場所に出るよ」と運転手さんが教えてくれて、本当にリヨンの人たちは親切だわと改めて思ったのです。眺めのいい場所からの写真は、前回のブログ「リヨンのレストラン」のトップに載せています。
これはソーヌ川を渡る観光船。屋上にはデッキチェアーや木のテーブルなどが並び、スペースもたくさんとっていて、他の街の観光船とはちょっと違った雰囲気です。一度乗ってみたいな。右上に見えるのがフルヴィエールの丘に立つ大聖堂。
フルヴィエールの丘に建つ大聖堂。中は黄金色いっぱいで、トスカーナで見てきた大聖堂に比べると少しゴテゴテ感あり。
さて、写真も撮ったし、ケーブルカーで下に降りようかと乗り場を探したところ全くわからなくて、近くにあるお土産やさんにジョン・クロードが聞きに行きました。そして戻ってくると、なんとケーブルカーはここ数週間故障していて動いていないと教えられたとのこと。
いや~、タクシーの運転手さんの言うことを聞いてよかったねー、と私たち。人生、フレキシブルにいくといいことがたくさんあります。
それから、バスが大聖堂の前から出ているのを見ながらも、私たちは親切なお土産やさんに教えてもらった大聖堂の両脇にある細い道をテクテクと歩いて下の街へ降りていきました。清々しいお天気の中、木々がたくさん植わる坂道には鳥の声が聞こえてきて、素敵な散歩ができました。ケーブルカーが動いていなくてよかったかも。
テクテクと歩いて森を抜けると、今度は家々の間に走る細い階段が続きます。傾斜が半端ない。こういう時代物の階段があちらこちらにあります。
リヨンの街の小さな一角。
日曜日の夜、レストランで食事をした後に見た風景。白いのが大聖堂で、東京タワー?と一瞬思ってしまった右の塔は、普通の電気塔のようでした。昼間に見ると素っ気ない塔です。
今日も素敵な日をお過ごしください。