ホーム     フランス便り     プロファイル


フランス人の味噌職人

味噌を知らない日本人はいないと思います。でも、フランス人で味噌を知っている人はどれだけいるでしょうか。
つい先日、 私はジョン・クロードと一緒にカルカソンヌの北部にある「黒い山」の村で味噌を作っているというフランス人を訪ねました。彼の名前はジョアン。

miso

前もって彼に訪問の連絡を入れ、住所を頼りにたどり着いたのは、山の奥の本当に小さな集落でした。入り口でこんな大きなライムの木が迎えてくれました。

miso

駐車場の壁にはライムの広場という表示が。ここから数歩歩いたところに、ジョアンの味噌製造場「ヨロミソ」がありました。

 

miso

この大きな古いとんがり帽子の建物は、今は教会ですが、その昔はお城だったとか。こんな山奥にお城を作った人がいるんですね・・・。

miso

教会の前には川が流れています。鬱蒼とした山の中は低地よりも気温が低く、川のおかげで湿気も多くて、味噌作りには最適な場所だそうです。気温が低ければ低いほど味噌の発酵がゆっくりになり、味噌の旨味が増すそうです。

miso

教会の反対側に味噌製造場ヨロミソがあります。

miso

ドアの前には石で作った灯篭が置いてありました。

miso

大豆を煮る釜。フランスでいいものが見つからなかったため、わざわざ日本から取り寄せたそうです。石で作ったかまどはジョアンの手作り。

miso

味噌製造室。味噌の発酵は別の部屋。

miso

ジョアンと一緒に記念撮影。彼の作る味噌は、大豆、米、麦、麹など、すべてオーガニック製品で作られています。

miso

私が買ってきた味噌2種類。左は麦味噌、右は米味噌。この他にレンズ豆を使った味噌など各種あり。今はレストランのシェフから注文が入ることもあるそうです。
お味は、驚くほど美味しい!私がいつも味噌を購入していたオーガニック店が味噌の販売をやめてしまい、これからも味噌を売ることはないというので、「ヨロミソ」のことを知ってこれ幸いです。これからはいつでも味噌が手に入ります。それも美味しい手作りの味噌が。

katsuobushi

katsuobushi

そして味噌と言うとダシ。味噌汁を作ってもダシがないと日本の味にはなりません。ダシにはやはり鰹節。
と言うことで、去年の4月から販売が始まったと言う、フランスはブルターニュ地方のコンカルノー市で作られている鰹節をジョアンが見せてくれました。彼の知り合いがコンカルノー市の工場におり、その知り合いから直接届けられるそうです。私も買ってきました。ダシに使う前に、鰹節に醤油を少々かけて、それをおにぎりの具として食べてみました。美味しかったーー。日本の味でした!

2014年に初めて味噌を作り始めたジョアンは、塩の塩梅などを日本で修行し、今では味噌の作り方の講習も行なっているそうです。たくさんのフランス人に味噌を知ってもらいたいと彼は言います。
彼の日本訪問の写真はこちらから。