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城崎温泉

今週の月曜日、私たちは城崎温泉へ向かいました。温泉に行きたいなぁ、と言っていたら従兄弟がこの温泉を教えてくれて、宿泊先を自分たちで探して行ってきました。
実は、切符を京都駅で前もって購入し、行くのを楽しみに待っていたのですが、先週末から急に大阪のコロナ感染者数が大きくなり、同時に城崎温泉のある兵庫県も感染者数が増えてきて、どうしよう、行くのをやめたほうがいいのかしら、と迷ったのです。決められなくて、予約していた城崎温泉の旅館に電話をしてしまいました。もちろん、旅館側は感染予防策はしっかりしていますとのことで安心し、その上、切符をキャンセルするには京都駅まで行くことになるし、京都駅まで行くのなら、もうそこから城崎温泉まで特急に乗ったら真っ直ぐだ。城崎温泉は兵庫の北の端、日本海にも近いところだから、きっと無事に行って帰ってこられる、と考えた私たちは、意を決して(ちょっと大袈裟?)城崎温泉へ向かいました。

京都駅から「きのさき5号」で出発です。城崎温泉まで2時間40分の旅。密にならないようにと念のためにグリーン車を予約しました。 ホームには乗客がほとんどいませんが、普通車の4号車前には列ができていました。
駅弁を手に下げる私・・。笑笑

京都駅で見つけたベジタリアンの駅弁を食べるジョン・クロード。京都駅を出るとまもなく窓の外には田舎の風景が広がります。

城崎温泉駅到着。小さい!特急からこの駅に降り立ったのは私たちだけ。他の乗客は一つ前の豊岡で降りました。写真に写っている小型バスは、城崎温泉旅館組合が共同で運営しているシャトルバス。行き先を伝えると連れて行ってくれます。

駅前に全部の旅館、お風呂の下駄が奉納されていました。たくさんある・・・。

私たちが宿泊した「西村屋本館」の入り口。160年の歴史があり、近年では志賀直哉や与謝野晶子の文人墨客にも愛された山陰随一の温泉地・城崎温泉、だそうです。ここに2泊3日の宿泊。

小さな玄関からお化粧部屋(鏡や浴衣などが置いてある)を通って、メインの部屋に。部屋の隅では空気清浄機や除菌装置が常に稼働しており、居心地満点。

床の間。ピシッと綺麗。

お部屋の広縁。庭が素晴らしい。

庭に出る時に履く下駄。可愛い。

旅館の庭です。大きな魚がいっぱい。

まずはお抹茶とここの名物、だんじり太鼓のおまんじゅうとおかきで、ようこそいらっしゃいました。

一服した後、ちょっと歩いて散策に。この近くにロープウエー乗り場があります。

桜はもう散っていましたが、残った提灯が心ウキウキさせてくれます。メイン通りも裏通りも小さくて静か。コロナ禍のせいで旅行者は数える程。1日に10組も見なかったな。

一人だけ、浴衣と羽織を着て下駄をカラコロさせながら歩いている男性を発見。城崎温泉では7つの湯巡りが有名です。湯巡りパスポートのような札を持って、あちらの湯へ、こちらの湯へと巡ります。私たちは西村屋の温泉で十分なので湯巡りはしませんでしたが、散歩中に見ていると、どこのお風呂屋さん達もみんな暇そうでした。旅行者、少ないですもんね〜。かわいそう・・・。

散歩から帰って温泉に入り、浴衣に着替えて夕食をいただきます。

私たちのお部屋係だった菜摘さん。お行儀作法が素晴らしく、その上いつもニコニコと朗らかで、お若くて素敵な女性でした。食事は全部が一度に出てくるのではなく、前菜から始まり、7・8種類の美味しいものを彼女が一つ一つ運んできます。ご飯もお釜をお部屋に持って来て炊きます!エエ〜〜ッ!

写真に写っているのは筍を竹で挟んで焼いたもの。柔らかくておいしかった〜。写真には写っていませんが、もう季節外れで出てこないだろうと思った蟹も、今の季節らしい赤蟹を食べることが出来て嬉しかった。

鯛のしゃぶしゃぶ。この他、美味しいものがたくさん出て来て、満腹〜〜〜。

ジョン・クロードが若い頃に飲んだ思い出のワインがあり、半ボトルを注文。最高級のワインだと彼。アルコールを飲まなくなって2年ほど経つ彼ですが、こんなにいいワインを見つけた時は別だそうです。
夕食の後はまた温泉。

翌朝は6時ごろに目覚めて、雨が少し降っていましたが、朝散歩。その後、宿に戻り朝食前にまた温泉。

これ、朝食です!!湯豆腐、温泉卵、ヨーグルト、お浸しなどなどが並び、出て来たお粥を食べたら、もう白ご飯が入らない。夕食も朝食も魚三昧はきついので、朝食には魚はつけないでくださいと前もってお願いしていたところ、エビの茹でたのが出て来て、残念だけど手をつけずにお返ししました。朝からお腹いっぱいになり、翌朝の朝食は洋食に変更です。

小さな街の中を細い川が通っているので橋が多い。

人影なし。多分、私たち、いい時期に来たかも。

ロープウエーは初日に登ったので、翌日、菜摘さんに教えていただいた綺麗なビーチを見に、竹野駅へ向かいました。城崎温泉駅から一駅。小さな駅、私たち以外、だ〜れもいない。タクシー乗り場もなし。ここから1.4kmをてくてく歩いてビーチを目指す。この日はものすごい風で吹き飛ばされそうになりながら、突き進みました。

これが有名なビーチ。海の色が綺麗。夏になるとたくさんの人が訪れるそうです。今の時期はほとんどのお店が閉まり、歩いている旅行者らしき者は私たち二人だけ。ひっそりした漁村です。それにしても風が強い。早々に引き返して駅に到着したものの、城崎温泉行きの列車は出たばかり。それで、駅横にある喫茶店に入り時間を潰すことに。結果、その喫茶店が 面白かったのです。おばちゃん(多分、私の方が年上?)3人がボロンティアでやり始めた喫茶店で、去年の7月に開店したのだとか。竹野にはコロナ感染者は一人もいないけど、兵庫県は兵庫県だから旅行者が来なくなった、と嘆いていました。私たちはコーヒーを注文したのですが、サービスで手作りのきな粉飴、ビスケット、お茶まで出してくれて、店を出る時には、ボールペン、バンドエイド(?)、ウエットティシューを二人分お土産にくれて、また来てね〜。朗らかなおばちゃんたちに早く旅行者が戻ることを願います 。

城崎温泉元湯。ちょっとわかりにくいですが、岩の上からブクブクとお湯が吹き出しています。

2日目の夕食。シェフの腕も素晴らしいけれど、それぞれの器も美しくて、見惚れます。

この日はしじみと野菜の炊き込みご飯。小型ですが2釜も用意してあり、少食の私たちには1釜で十分でした。

面白くておいしかったのが、白味噌と麹のフォンデュー。味噌がぐつぐつと煮立っています。

たっぷりの夕食の後、腹ごしらえに散歩。川面に映る光が綺麗。この夜、湯巡りをしている4・5組ほどの若いカップルを見かけました。大学がお休みになったので若い人が多く出かけているようですが、ひょっとしたらご夫婦かも。若い男女が浴衣と下駄で歩いている姿、いい感じ。

城崎温泉駅前の風景。しかし、誰もいない・・・・・。閉まっている店も多いのですが、やはり日本海に近い街ですから大小6・7件はある魚屋さんは開いていました。私の住むところでは見られない風景。

コロナ感染者数が増えているという時だったので、人が少なくてちょうどよかったです。久しぶりの温泉、本当に満喫しました。
帰りも特急のグリーン車(乗客3人だけ)で京都駅まで行き、近鉄線に乗り換えて丹波橋まで3駅、そこから京阪電車のプレミアムカー(指定席)に乗って枚方市まで。そこからいつもはバスですが、この日は荷物もあったのでタクシーで帰宅。人混みに入ったのは京都駅構内くらいかな。まぁ、安全に旅をしたと思いますが、やはり緊張もあったのでしょうか、翌日は二入とも少々お疲れ気味。週末はゆっくりしよう。

最後に、お部屋係だった菜摘さん、大変お世話になりました。お別れの時は少し泣きそうになりました。