サプライズ
数日前のバスの中、「君にサプライズプレゼントをしようと考えているんだ」と突然ジョン・クロードが言い出した。
えっ、どうして・・・、私の誕生日でもないし、急にどうしたの、と私。
だって、君がいつも家の中のことをしてくれてありがたいなと思っているから。その感謝の気持ちとして、何かサプライズプレゼントをしよう、と考えていたらしい。
「何を買ってくれるの?」と冗談っぽく訊くと、「それは秘密」だそう。
そして10月1日の昨日、「自転車で君へのサプライズを買いに行ってくるよ」とジョン・クロードが言った。
自転車で行くの?何買ってくるの?と私の頭の中は「?」マークが浮かぶ。
数分後、「ちょっと来てー』と自分のPCの前に座っているジョン・クロードからお呼びがかかった。
行ってみると、「ここから好きなのを選んでよ」と画面の中に並んだグッチのバッグを指差された。
なんと、これをプレゼントしようと考えていたのか!
ちょっと近所に出かける時に、携帯と鍵だけを入れて持っていくのにいいでしょう、とジョン・クロードは得意そうに言う。
「確かにそうだね」と言いながら画面の中のバッグを見ると、うえっ、小さいのにこんなに値段が高いの?と思いっきりびっくりした。
普段ブランド物に興味がないので、グッチのバッグがいくらするのかなんて知らなかった。
「一つのバッグで我が家の1ヶ月分の家賃が払えるよ」と私が言うと「値段は気にしないで、選んで」と彼から突っ込まれた。
そうだね、彼の気持ちが嬉しい。お言葉に甘えて買っていただこう。値段を見ないようにして、私は自分に一番似合いそうなバッグを選んだ。
それがこの写真のバッグです。もう30年くらい前にも、私はルイ・ヴィトンのバッグをサプライズプレゼントとして彼から頂いたことがあります。あの時はびっくりして嬉しくて泣きました。
ああ、私はいい人と一緒にいるなぁ。なんて幸せな人生だろう。つくづくそう思います。勿論、何か買ってもらったからと言うのではなく、彼は私のことを本当に大切に思ってくれる。感謝の気持ちでいっぱいです。
バッグを選び終わったら、ああ、自転車で行く必要がなくなって良かったわ、と彼は安堵していましたが、自転車でどこまで買いに行くつもりだったのか・・・?