貴船川床
南ヨーロッパは40度を超す日々が続いているこの夏。それに比べると日本の暑さはまだ乗り越えられるな、と思いながらも、どこか涼しい場所に出かけられないかなと考えたところ、京都北部にある貴船口を思い出しました。
貴船口は鞍馬駅の一つ手前で、水神の総本宮である貴船神社があるところ。以前からこの駅で降りる人たちをたくさん見ていたのですが、貴船神社の知識もなかった私たちは、いつも鞍馬山へ直行していたのです。でも従兄弟に貴船で川床料理が楽しめるよ、と教えてもらっていたこともあり、そうだ、貴船へ行ってみようということになりました。
京阪電車の終点の出町柳駅から叡山電車(叡電)に乗り換えます。叡電はたった2両の小さな電車ですが、住宅や町の間を抜けて走る地元の人たちの足です。鞍馬駅まで31分の走行中、なんと14駅も止まります。今の時期は旅行者でいっぱい。
電車のエアコンが出る天井部分に10個ほどの風鈴がぶら下がり、チリン、チリンと涼しげでした。日本の魅力。
貴船山から流れる貴船川。貴船口駅から神社のある山頂を目指して川の横を歩きます。暑い日でしたが、貴船川のザーッという川の音を聴きながら周りの緑を目にして歩くと、暑さもそれほど感じません。
貴船口駅から貴船神社までの道のりを半分ほど登ったあたりから、川床料理屋がいくつも見えてきます。写真上。
私たちは一応神社近くまで歩いたものの、人が多くなり車で混雑もしていたので、神社までは行かずに来た道を引き返しました。
てくてくと歩いて見つけたのが、店の外に水車が回る「貴船 水源の森 天山」でした。昔は日帰り温泉施設だったようですが、2年前に川床料理屋だけに改築されたようで、玄関先からトイレまで新しくて綺麗で、山の中でこういう場所を見つけるとホッとします。
上の写真は別の川床料理屋さんです。
「貴船 水源の森 天山」の川床です。川の水がザーザーと流れ、冷房の効いたところに座っているように涼しい。気温は下界よりも5度ほど低めかな。
最初のお盆。何もかも心を込めて作られているような、腕のいい料理人の味と盛り付け。。お味は最高でした。
メインのお盆。鮎の塩焼きが出てきました。塩で滝の流れを描いていて、その中を鮎が泳いでいるように見せるとは、なんと芸術的な。真ん中は細い素麺。これがまた美味しくて・・。
ちりめんじゃこと梅干し、大葉の入ったご飯。横に出汁の入った土瓶があり、これで茶漬けをします。う〜〜っ、美味しかったー!
お品書きです。
天山には3種のメニューがあり、二つは肉入りで、私たちはもう一つの肉がないメニューを注文しました。私たちのメニューは一人7980円。肉入りはもう少し高めでした。
サイトで検索すると、少し古い(?)天山のサイトが出てきて、料理のお値段も安めに書かれているので、これから行かれる方はチェックが必要かと思います。それとも夏の間だけ、高めなのかな・・?
こちらは川床の川下風景。
天井も竹作りで風情があります。秋の紅葉も素晴らしいだろうなぁ・・。
お会計を済ませ階段を登って玄関先に出ると、『どちらへ行かれますか?」とお店の方に訊かれ、貴船口駅まで行きますと伝えると、お店の「テゥクテゥク」でお送りしますよ、とおっしゃってくださり、5分ほど待つと、山頂から戻ってきた「テゥクテゥク」で 駅まで戻ったのでした。その時の「テゥクテゥク」の スピードの早かったこと!若い男性が運転していたのですが、毎日運転しているからか細い道でもものすごいスピードで走るので、私たちはジェットコースターに乗っているようで、ちょっと怖いような楽しいような、でも素敵なサービスでした。
天山の玄関口に向かうとき、水槽に泳ぐ鮎たちを見ました。ああ、この鮎が私たちの食卓に登ったのね、とちょっと胸が痛んで、「ごめんなさいね、ありがとう 」と 伝えてきました。