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アルゾンの海岸を歩く

ブルターニュ最終日の朝、素晴らしいお天気に恵まれました。早速、ホテル近辺のアルゾン海岸をもう一度歩いてみることにしました。
ブルターニュには私たち二人にとって特別な思いがあります。

私とジョン・クロードが初めて出会ったのは1983年の冬、ドイツのベルリンでした。ベルリンには、世界各国の人たちが一緒に住んで、そこで自分にあった仕事をこなし、夕方は1日の締めとして人生や瞑想についての法話をみんなで一緒に聴く、という生活をする場所がありました。そこに私はチューリッヒから到着し、ほとんど同時にジョン・クロードはミュンヘンから到着しました。出会った二人はすぐに惹かれあい、それからの毎日、時間がある限りいつも二人は一緒でした。
ある日の夕方、二人は目を閉じてベッドに横たわりながら、それぞれが静かに流れていく空間を楽しんでいました。手をつないでいたかもしれません。
とっ、急に私の頭の中をある情景がスーッと流れました。それは、まだうら若い私とジョン・クロードの姿でした。場所は海岸線が見える絶壁の上です。私は石造りの家の横に立って、裾までの長いスカートを風にひらひらさせています。風が強くて、海が荒れています。次の瞬間、私は悟ったのです、漁師だったジョン・クロードが荒れた海で遭難して、私は悲しさに打ちひしがれていることを。

「あっ!私たち、前世でも一緒だったみたい!」と私は思わず声に出していました。
「うん、僕も今ちょうど、その時のことを思い出していたんだ。僕たちが一緒だったのはフランスのブルターニュだったと思う」とジョン・クロードも驚くことを言いました。
「前世のあなたの名前はジョンだったと思う」と私が続けると、「うん、そうかもしれない、僕の本名はジョン・クロードだから」
「確か君の名前はマリーだったと思う」とジョン・クロード。
あっ、と思いました。私がスイスに住んでいた時、洗礼を受けようと思い教会に行くと、洗礼をするにはクリスちゃんの名前が必要なので、何か好きな名前を選べびなさいと神父さんから言われ、私は迷わずマリアという名を選んでいるのです。結局洗礼は受けませんでしたが、なんという偶然か・・。
私たちはベルリンで出会った時からお互いをニックネームで呼んでいたので、この頃、お互いの本名はまだ知りませんでした。ましてや、私が随分昔にマリアと言う名前を選んだことなど、彼は知りもしません。

本当に不思議なことです。でも、二人が前世で一緒だったのは確かなようです。オカルト的な話は全く信じないジョン・クロードが、この件だけは信じています。
前世でジョン・クロードが早くに死んでしまった為、改めて二人は出会い、一緒に長い人生を歩いていくようにと運命付けられたのかもしれません。まぁ、真実はどうであれ、私はジョン・クロードが大好き。これからも最後の日が来るまで、ジョン・クロードを愛し、信頼し、共に過ごす毎日を楽しんでいきたいと思います。今年で34年目ね。

ということで、ブルターニュに来たら絶壁の上にある石造りの家を私は見つけたかったのです。ひょっとしたら、あの時の家がまだ残っているかもしれないと思って・・・。

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ホテル前にあるビーチを外れて、絶壁のある丘の方へ歩いていくところ。

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木の幹や石ころがたくさん出ている道で、つまづいて転ばないようにと気をつけながら歩いています。笑
この写真はアルゾンに到着して3日目に丘に登ろうと試みた時のもの。結局、途中で引き換えしています。

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道の両脇にずらーっとなっていたブルーベリーに似た実。これが本物だったら大変なものですが、たぶん本物ではない。

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絶壁へ向かう道。

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風が強くて、腕を広げるとそのまま空に飛んでいけるんじゃないかと思った私・・・笑

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海からの風で撫でられたような形の芝。

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ちょっと見えませんが、海の向こうには小島がいくつか並んでいます。その名前を説明しているのがこの半円形のもの。
誰かが汚れた靴で登ったみたいです。

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絶壁が見えてきました。

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こちらにも絶壁が。でも、期待していた石造りの家はありませんでした。ここじゃなかったのかな・・・。

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曇り空のある日、海の上に虹が出ていました。右のほうにちょこっと・・。

これがブルターニュ最後の便りです。
次回、ブルターニュに行くことがあれば、ぜひ、いくつかの子島を巡りたいと思っています。ステキらしいです。

毎日を大切に過ごしましょう。

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